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【ニューデリー=岩田智雄】インドの首都ニューデリーで行われた新興5カ国(BRICS)の首脳会議後、参加国のインドの
識者やメディアから、中国によるBRICS支配を警戒する声が上がっている。
会議で合意された「BRICS銀行」の設立へ向けた準備は、期待されたほどの成果はみられなかった。
「BRICSで最も強い経済力を持つのは中国だ。ブラジル、ロシア、インド、南アフリカにそれほどの資本はない。世界銀行や
アジア開発銀行のような組織を作るのは時期尚早だ」
インドのシンクタンク、中国研究所のアルカ・アチャリャ研究員は、産経新聞の取材にこう語った。
3月29日の首脳会議前、各国は世銀に対抗するBRICS銀行の設立に向け協議を重ねてきた。しかし、問題を検討し
次期首脳会議に報告する作業部会の立ち上げの合意がやっとで、事実上の協議先送りだった。
中国の国内総生産(GDP)が、世界全体に占める割合は9・3%。BRICS5カ国全体の18・2%の半分強で、突出して
いる。
インドの元外交官はインド紙ヒンドゥスタン・タイムズに、「BRICS銀行のような存在には注意が必要だ」と話す。世銀を
モデルにすれば、総務会の投票権は加盟国拠出金に従い割り振られ、中国が最大の発言力を持ち、総裁も中国から選ばれる
のが確実だからだ。同紙は「BRICSはいずれ中国のおもちゃにされかねない」と指摘する。
BRICSは「団結」より「分断」が目立っている。世銀の次期総裁には統一候補を立てることができず、インドやブラジルの国連
安保理常任理事国入りにも中国は首を縦に振っていない。ニューデリーでは首脳会議前、チベット人男性が中国の胡錦濤国家
主席の訪印に抗議し焼身自殺したほか、連日デモも起きた。
ただし中国は、BRICSをてこに、改めて存在感を高められたことを評価している。中国外務省高官はタイムズ・オブ・インディア紙に、
「BRICSは財政、貿易、開発に焦点を絞っているが、まだ発展途上だ」と述べ、首脳会議で採択されたデリー宣言に、イラン
核問題を外交と対話で解決することを求めるなど政治的内容を盛り込んだ意義を強調した。
msn産経ニュース: 2012.4.1 01:22
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