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「私たちはどのようにプログラミングされていたのか」コ・ジンソク著、キャリオン、
238ページ、1万5000ウォン(約1100円)
ボリュームはそれほどないが強力な本だ。1971年生まれでコンピュータ・サイエンスを学んだ著
者が書いたこの新刊は、解放前からこれまで韓国や韓国人を扱った談論書カテゴリーから外せな
くなりそうだ。
11年前、大衆的に成功した『韓国人のアイデンティティ』(卓石山)、1960年代『土の中に、あの
風の中に』(李御寧)、それ以前の論議の中の『民族改造論』(李光洙)らと同じ問題作の1つとして
読まれる。
副題はこうだ。「韓国人に生まれたわれわれを支配して命令を下すもの」。挑発的だが、省察が深
く広い。韓国人に生まれたわれわれは、自らの意思とは関係なく韓半島の歴史や制度、情緒をそ
のまま受け継いでいる。コンピュータに例えると初期セッティングの運用プログラムになるが、その
実体を点検してみようと提案している。
なぜわれわれの社会は憂うつなのか。なぜ自殺率はこのように高いのだろうか。国家建設に成功
した“シンデレラ国家”大韓民国であるのに、なぜこんなに共同体(共和国)についての合意はひど
く足りないのだろう。「信じる人ひとりいない。私は一人で生き残らなければならない!」(168ペー
ジ)という強迫観念ないしエリート主義の心理は果して誰から植えつけられたのか。
その中核として“ゆがんだ近代”を植えつけた日帝強制占領期間の弊害に目を向ける。帝国主義
の日本が悪いという攻撃ではない。福沢諭吉の近代化論自体が、哲学的省察が圧排されたエリ
ート主義に過ぎず、“理由なき近代化論”という指摘に見るべきものがある。一緒に添えられてい
る日本儒学の特徴についての分析も新鮮だ。
このまま生きていくのか、再プログラミングするのかという哲学的な省察もかなり頼もしい。素晴ら
しい問題提起、余韻豊かな文章の組み立て方は“若いやり手”の出現を知らせる。博覧強記を調
節する呼吸も持ち合わせている。しかし惜しい部分もある。この本を書くために数百冊の著作に目
を通したと言うが、偏食がひどい。
文化研究と韓国現代史の勉強中に左派の書物を多く参照しており、宗教学や哲学のベースが脆
弱だ。ハリウッド映画「マトリックス」をとても真剣に(ではなければ表皮的に)見た感じも強い。「生
きることは巨大な幻影」という仏教哲学には深層と表層があるが、「マトリックス」は表層に触れた
ただの商業映画だ。
しかし今年の春に手に取る素晴らしい著述の前に敬意を表するのが先だ。良書に出会えば著者
に会ってみたいと思うのは、必ずこんな場合だ。彼はソウル大卒業後、性徹(ソンチョル)僧侶・崇
山(スンサン)僧侶の教えを乞い、修行をした異色の経歴がある。プログラマーとしては韓国ショッ
ピングモール第1号となる「インタパーク」のプロジェクトに参加した。IT業界で多くのプロジェクトを
進め、「アイラブスクール」技術理事を務めた。
ソース:中央日報<【BOOK】憂うつな韓国人、日本から渡ってきたエリート主義が原因>
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