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【三国史記】
二年(58年)春正月、瓠公(瓢公)に大輔を拝命。二月、自ら始祖廟で祭祀。
ここに登場する瓢公とは、三国史記によると、
【三国史記】
瓠公(瓢公)は、その族と姓は未詳。本は倭人。初めは腰に瓢箪をぶらさげて、海を渡って来たことから、瓠公と称される。
とあるように、倭国から渡来してきた倭人です。瓠(瓢)とは瓢箪のことです。瓢箪を船縁二つけて倭国から渡来したので
瓢箪公なのです。脱解は、その倭人(瓢公)の屋敷を詐取したのです。その様子は三国遺事に詳しく記述されています。
【三国遺事】
(山上から)城中に居住すべき土地を(探して)展望すると、三日月のような霊峰を見つけた。永住すべき地勢だった。下山して
この地を訪れた。すなわち瓠公(瓢公)の居宅である。そこで、詭計を考案した。その家の側に砥石と炭を埋め、朝になって門で
詰問して言うには「ここは吾が祖の代の家屋である」。
瓠公(瓢公)は否定した。争訟が決着できない。そこで、裁判官に告げた。裁判官が曰く「どんな証拠があって自分の家だという
のか」。童子が曰く「私は、元は鍛冶屋でしたが、少し隣郷に行っていたところ、他人に家を獲られたのです。土を掘って検証し
てください」。 これに応じたところ、果して砥石と炭がでてきた。そこで、家を取り上げて住居とした。
倭人の大臣(瓢公)から居宅を騙し取った智謀が評価され、後に新羅王の娘婿に成ります。倭人が絡んでいます。この居宅が後の
月城(半月城)です。また、鍛冶、砥石、炭を埋めておいたと、あります。製鉄に関係しそうです。鉄については、中国の正史
『三国志』東夷伝の辰韓・弁韓の条に記述があります。
【三国志】
国は鉄を産出し、韓、□、倭など皆、これを採りに来る。諸貨の売買には皆、鉄を用いる。中国で金銭を用いるがごとくである。
また二郡で供給する。
という記述があります。大和朝廷が韓半島の鉄の利権を重要視していたことは、有名です。瓢公も脱解も、鉄に絡んで、倭国から
派遣された人物だったのでしょう。
さらに、倭人宰相の瓢箪公(瓢公)から騙し取った月城(半月城)とは雁鴨池(Anapji)の東南方向にある新羅時代の代表的宮廷の
あった所です。史跡第16号に指定されているこの半月城は、その形が新月に似ている事から新月城、または月城といい、王がいる
所という意味から在城とも呼ばれている、約900年間新羅が治めた所でした。
以上のように、新羅の第四代王の昔脱解は、倭国の丹波(現在の丹後半島)から出航し、対馬島を経由し、金官国への侵入に失敗
した後、慶州に至り、倭人大臣から城を奪い、ここで新羅王に成った日本人でした。
新羅は日本に人質を送っていただけで無く、王自体が日本人だった事もあったわけですね。
三国史記にそう書いてあるのだから仕方無い。