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■途上国の中国は指導的役割を担えない?
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中国は慎重に国を率いるエリートを養成している〔AFPBB News〕
これは信じ難いことだ。中央党校の存在は、中国がいかに注意深く国を統治するエリートを教育
し、養成しているかを示している。大半の国よりはるかにそうだ。
エリート層は多くの国内問題を抱えているが、彼らが望めば、WTOやG20で指導的役割を担うこと
に関心を向けることもできる。
むしろ、彼らは、中国は発展途上国であるという路線に固執することに戦術的な利点を見いだ
しているのだろう。WTOの要件を満たすための時間を稼ぎ、目立った態度を取ることで米国その
他の国を一段と怒らせる危険を冒さずに済むというわけだ。
それには、もう手遅れだ。中国は多くの国にとって主要な貿易相手国であり、膠着状態に陥って
いるドーハ・ラウンドを乗り越えて先に進もうとするWTOの取り組みにとって極めて重要な国
だ。自国の影響力に関する偽りの謙遜は、遅れをさらに長引かせ、論争を助長するだけだ。
中国は、指導的役割を引き受けることで、尊敬のほかにも得るものがたくさんある。例えば、
多国籍企業が国有企業ともっと対等に戦うのを認めれば、中国は現在の緊張をいくらか和らげ
ることができる。温家宝首相の言葉を借りれば、「ウィン・ウィン」にもなるだろう。
中国の国有企業は、長期低利融資の活用、無償の土地、政府支援の助けを借りて、多くの産業
を支配している。
ワシントンにあるヘリテージ財団の上級研究員デレク・シザーズ氏は「彼らは負けるわけがなく、
我々は勝つことができない。我々は中国企業を打ち負かすことを許されていないのだ」と言う。
■再び主導権を握るか
中国が最新の5カ年計画で設定した目標は、低価値の生産からより高度なモノとサービスに移行
することだ。そのための最も簡単な方法は、競争を促進し、外資系企業に国内での事業設立を
認めることだ。そうすれば、経済構造を変化させ、1世代の中国人経営者を教育することにな
るはずだ。
それは中央の支配が失われることを意味するが、中国は、鄧小平の下での経済改革の初期段階
のように、そうした急進的な措置を取る意欲を示したことがある。目下の問題は、中国が守りの姿勢
に陥ってしまうのか、それとも再び主導権を握るのか、ということだろう。
By John Gapper
(2012年3月15日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)