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∞暴動から4年 チベットの現実、日本への思い(前篇)
∞ダライ・ラマ法王 日本・東アジア代表ラクパ・ツォコ氏に聞く
奇しくも、あの「ラサ騒乱」から丸4年となる3月14日、ダライ・ラマ法王 日本・東アジア代表のラクパ・
ツォコ氏を訪ねた。
思えば4年前の今頃、日本のマスメディアは、それまでの「沈黙」を破り、まるで堰を切ったかの
ように、連日、チベット情勢をトップ扱いで伝えていた。中国政府に対し、世界中から非難の声があ
がり、北京五輪の聖火リレーの場が「フリーチベット」のアピールの場と化した。日本でも、長野で
の聖火リレーが「異様な場」と化した、あのときのことを、ご記憶の向きも少なくないことだろう。
再びオリンピックイヤーが巡ってきた。4年がたったにもかかわらず、チベット情勢は好転するど
ころか、深刻さを増すばかりだ。本コラムでも再々書いたが、2009年、昨年、今年と相次いでいる
焼身自殺は、わかっているだけで、すでに26件にものぼっている。
そんなチベットの現状と今後のこと、日本とのかかわりあいについて、通算の日本滞在歴が20年を
超えたラクパ・ツォコ代表に聞いた。
■「野田総理への親書」の返事は?
まず、本コラムの前回の稿で、大きな反響を頂戴した「チベット亡命政権から野田総理への親書」
のその後について聞くところから話を始めた。親書を出してからちょうど1カ月、何らかの「返事」は
あったのか?
「とくにお返事はいただいておりません。しかし私は、野田佳彦首相はじめ日本の閣僚、政治家の
皆さん方は胸の中に、チベットのことを留めてくださっていると信じています」
と、ラクパ代表。
一日本人としては、苦笑するしかなかった。「胸に留めているだけ」では政治とはいえない。しかし
残念ながら、それが私たちの政府の現状だ。ただし、ラクパ代表が、「野田総理は理解してくださっ
ている」と繰り返しいうのにはワケがある。
実は野田総理は、4年前の4月23日、野党議員として当時、衆議院外務委員会で「チベット問題」
について質問を行なっているのだ。高村正彦外務大臣(自民党)に対し、「『チベット問題は中国の
内政問題だ』という(日本政府の)見解について、私(野田)は、国民感情としてはそうではないと思
う。人権という観点からすると、これは間違いなく国際的な問題であり、国際社会が注視していると
いうことを、繰り返し、中国にお伝えしていくべきではないか」という趣旨の発言をしている。この至極
真っ当と思える野田発言が、今日どのように変化したかはまた後で触れたい。
あらためて、ラクパ・ツォコ代表に、チベットで相次いでいる焼身自殺の背景について聞いた。
4年前から今日まで、チベットは一体、どういう状況であったのか?
>>2以降に続く
ソース:WEDGE Infinity(ウェッジ) 2012年03月16日(Fri) 有本 香
URLリンク(wedge.ismedia.jp)
画像:ダライ・ラマ法王 日本・東アジア代表ラクパ・ツォコ氏
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