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一審は無罪、二審と大法院は有罪 犯行動機、犯行に使われた青酸カリやマッコリが争点に
2年8カ月前に発生した「青酸カリ入りマッコリ(韓国式の濁り酒)事件」について、大法院(日本の
最高裁判所に相当)は15日「父親と不適切な関係を持った娘が父親と共謀し、母親を殺害した
事件だ」という最終判決を下した。
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2009年7月6日、全羅南道順天市黄田面の希望勤労事業所(地方自治体による雇用支援事業所)
で、Cさん(59)ら2人が、Cさんが持ってきたマッコリを飲んだ後、間もなく死亡した。問題のマッ
コリからは、青酸カリ11.85グラム(致死量は0.38グラム)が検出された。
事件発生から約50日後、Cさんの娘(29)が検察に出頭し「私が父親と共謀し、マッコリに青酸カリを
入れ、母親を殺した」と自白した。娘は犯行の動機について「母親が私と父親の関係について知り、
問題になったため」と供述した。検察は同年9月末、Cさんの夫と娘を尊属殺人罪などで起訴した。
ところが、Cさんの夫と娘は裁判で犯行を否認し、一審は「自白を信用することはできない」として
無罪を言い渡した。一方、二審は「自白は証拠として十分なものだ」として、夫に無期懲役、娘に
懲役20年の判決を下した。そして大法院は二審の判決を支持し、2年半に及んだ法廷での攻防は
ようやく幕を閉じた。
(1)犯行の動機
裁判では、Cさんの夫と娘の犯行の動機が争点になった。一審は、Cさんが夫と娘の「不適切な関係」
について知らなかった可能性もあるため、殺害の動機として認められない、と指摘した。また、夫と娘
は裁判で「Cさんを殺害していない」と主張した。
だが大法院は、夫と娘が裁判でうそをついた、と判断した。夫は検察の調べに対し「妻が私と娘の
関係に気付いたため、青酸カリを飲ませた」と供述し、娘も「マッコリに青酸カリを入れた」と供述して
いた。また、娘は裁判中、知能指数が低いと思われるような行動を取ったが、裁判所が精神鑑定を
行った結果「正常」と判断された。
(2)青酸カリ
マッコリに混入された青酸カリも争点になった。夫は検察の調べに対し「青酸カリは4-5年前に入手
した」としながらも「いつだったかは覚えていない」と供述した。これに対し検察は、1992年にL氏の店
で購入したとの結論を下した。
一審は「購入してから17年が経過した青酸カリは、化学反応によって毒性が弱まる可能性がある」と
いう点を無罪判決の理由に挙げた。だが大法院は、夫が「青酸カリは米粒のような丸みを帯びた形に
なっていた」などと具体的な供述をした点や「17年たっても十分な殺傷力がある」という国立科学捜査
研究院の鑑定結果などを根拠に、有罪判決を下した。
(3)マッコリ
マッコリもまた争点になった。夫はマッコリを、順天市豊徳洞の市場にある食堂で購入した、と供述
した。だが、検察は問題のマッコリが、夫が購入した日(09年7月2日)に製造されたものだということ
を確認した。
ところが、犯行に使われたマッコリは750ミリリットルだったのに対し、マッコリを販売した食堂の店主
は「うちの店では900ミリリットルのマッコリを販売している」と証言したため、双方の証言に食い違い
が生じた。一審は「750ミリリットルのマッコリを購入した可能性は低い」という点を無罪判決の根拠に
挙げた。だが大法院は「食堂では900ミリリットルのマッコリが売り切れた場合、750ミリリットルの
マッコリも販売していた。夫がマッコリを購入した日は市場が開かれていたため、マッコリがよく売れた」
と結論付けた。
廉康洙(ヨム・ガンス)記者
朝鮮日報 2012/03/15
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