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>>1の続き
その一方で、金正恩体制の弱点も指摘する。
「内部から連絡のあった清津、会寧、茂山などでは2月から部分的に食糧配給が復活している。正恩
時代になって、少しはよくなったと、体制安定のために民心掌握を図るのが目的だろう。だが、政権は
昨年以来、大変な政治的浪費をしている。莫大(ばくだい)なカネと労力をつぎ込んでいる平壌の化粧直し、
4月の金日成生誕百年の行事、金正日の遺体のミイラ化、銅像作り…。何の生産性もない。金正日-
正恩親子の偶像化と権威付けだけが目的だ。このままでは経済はいずれ行き詰まる。その時、経済難を
どう打開するのか、政策をめぐって金正恩を取りまく特権層の間で利権争いや路線闘争が闘争が起きる
可能性がある」
飢えと寒さと薬物の蔓延
昨年来、北朝鮮ではこれまで以上に電力事情が悪化、金正日総書記の死亡もテレビで知ることができず、
ジャンマダン(闇市場)などで口こみで広まった。
日朝関係者によると、電力逼迫(ひっぱく)の兆候は昨夏からはじまり、今冬には平壌市内でも通電が
1日1時間ということが珍しくなかった。石丸氏によると、毎年、冬季は全体の約55%を占める水力発電所が
供血のため稼働率を落とすが、さらに経済逼迫(ひっぱく)により北朝鮮が大量の石炭を中国に輸出したため、
火力発電所が動かせなくなって電力事情が深刻化したとみられている。
食糧事情、電力事情の悪化にくわえて、薬害も広がっている。『リムジンガン』は、中朝国境に脱出した
北朝鮮住民などの取材から、北朝鮮全土に蔓延している覚醒剤中毒の実態をリポートしている。
それによると覚醒剤は 「オルム」(氷)、「ピンドゥ」(氷毒)と呼ばれ、『会寧市内では半数近くの人たちが
麻薬をやった経験があるのではないか。麻薬で家庭が壊れたり家を売り払ってコチェビ(浮浪児)になりはて
たりした人もいる』という証言を紹介している。
もともと80年代、金正日の主導で外貨稼ぎの手段として始まったアヘン生産だが、国際社会からの批判を
浴び、90年代後半から覚醒剤に変わった。さらに海外の取り締まりが強化されると今度は国内に広まった。
利ざやの大きい商売としても蔓延してしまった。
2009年、核実験により国連安保理決議で密輸取り締まりが強化されたことと、国境から流入する大量の
覚醒剤を中国が問題視したことが契機となって、昨年からは北朝鮮当局も摘発をはじめている。
しかし、北朝鮮の薬物汚染は根深く社会にしみこんでしまったようだ。北朝鮮から日本に脱北した元在日
帰国者はこう証言している。
「とにかく麻薬の浸透はすごい。薬もろくにない国だから皆、薬の代わりにしていた。5年前、私は息子を
北朝鮮に残して脱北したが、その後息子は中毒になってしまった。あの国は麻薬で滅んでしまう」
以上