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【北京・米村耕一】
北朝鮮の朝鮮労働党指導部が金正日(キム・ジョンイル)総書記死去後の今年1月、
日本との交渉について「早急に方法を探り、推進せよ」と指示していたことが25日、
毎日新聞が入手した党の内部文書で明らかになった。
金正恩(キム・ジョンウン)氏による新指導体制の発足後、北朝鮮の対日方針が明らかになったのは初めて。
配布直後の1月9日、北朝鮮側は日朝国交正常化交渉の担当者を中井洽(ひろし)元拉致問題担当相と非公式に接触させており、
金正日体制でこう着していた日朝間の公式対話を新体制が推進する方針を明確に掲げていた事実が浮かび上がった。
文書は今年1月6日付で党幹部に配布された「強盛国家建設における朝鮮労働党の経済路線と任務」。
金総書記の死を悼む内容も含まれている。党指導部の経済担当が党幹部らへの指示のための資料として作成したとみられる。
日本との関係について、文書は「日本との経済協調の強化は、我が国経済発展にとって重要な位置を占める」と明言。
日本の先進技術や資金を最大限に受け取るため、
「特に日本の民間団体との経済協力について該当機関が早急に方法を探り、推進しなければならない」と主張している。
また、日朝間の最大の懸案事項である拉致問題には直接触れていないものの、
「(両国間の)具体的問題は日本側との接触を通して解決する」と書かれており、
拉致問題を含む諸懸案についても一定範囲で話し合う構えであることを示唆した。
一方、韓国との関係については「北南経済協力は我々の一貫した立場」と主張。
08年の観光客射殺事件以来、南北協力事業が中断している金剛山観光について
「(協力推進は)北南の共同利益に符合する」と位置付けた。
さらに、07年の南北首脳会談で設置されたものの休眠状態となっている
「北南経済協力共同委員会」の活動を正常化させるための対策を推進すべきだと訴えている。
北朝鮮が、関係が険悪化してきた日韓に接近せざるを得ないのは、中国との経済協力が思惑通り進まないためとみられる。
文書では、経済大国であり、巨大な市場でもある中国の存在が北朝鮮にとって
「非常に有利であるにもかかわらず、(北朝鮮の経済発展に)根本的な役割を果たせていない」と指摘。
そのうえで「我が国の経済発展に合う項目を研究するとともに、国益優先の原則を順守すべきだ」と中朝経済協力の軌道修正を提案している。
毎日新聞 2012年2月25日 15時00分(最終更新 2月25日 15時15分)