12/02/25 07:39:47.24
国債強制交換条項の導入……CDS買収者補償要求の可能性
ギリシャ議会が債務交換(※1)を民間債権団に強制させられる「集団行動条項」(CAC)(※2)の導入案を通過させたことを反映し、
ギリシャが事実上の債務不履行(デフォルト)状態に陥ったとする評価が出ている。これにより、史上初の国家破綻によるクレジット・
デフォルト・スワップ(CDS)の支払いの発動可能性が高まっている。
24日金融投資業界によると、ギリシャ議会は現地時間の23日国債1070億ユーロ(約11兆6502億円)を削減するための債務調整の
進行を許可する法案を可決した。この法案は、国債交換に同意しない債権団に対しても強制的に債務交換を可能にする「集団行動条項」
(CAC)の導入を許容している。
集団行動条項の導入がCDS支払い発動を触発する内容なのかは「国際スワップ・デリバティブ協会」(ISDA)(※3)の決定委員会(DC)が
判断する。しかしISDAの既存の判断基準からすれば、ギリシャ国債の交換過程での集団行動条項の適用は十分に値する可能性が高い。
ギリシャはこの日にでも民間債権者に債務交換を正式要請し、来月12日までには全て手順を終える予定だ。(※4)(※5)
証券預託・清算会社であるDTCC(※6)によると、現在のギリシャのCDSの純取引残高は32億ドル(約2588億円)、契約総残高は699億
ドル(約5兆6535億円)だ。以前、リーマン・ブラザーズやAIGなどはCDSの純残高は多くなかったものの、債務不履行状態に陥ってから
一部販売代理店がCDSの発動が出来ずに株式市場に衝撃を与えたことがある。
国際金融センターの関係者は「集団行動条項が適用されれば、これはギリシアの事実上の債務不履行を意味することになる。CDSを買入れた
投資家が売主にCDSの支払い発動を求める導火線になる。2008年のリーマンやAIGの破綻時はCDS純残高は大きくなかったが、取引先
リスクが株式市場に影響を与えた」と話した。彼は「CDS発動が出来ない機関がある場合は不渡りを出す可能性があるが、今では留保を多く
備えており不渡りの可能性は低い」と付け加えた。
韓国投資証券イ・ダスル研究員は「CAC適用は事実上ギリシャの債務不履行と似たような状況だ。2005年にCDS取引が活性化して以来、
国が債務不履行に陥るのは史上初のことだ」と話した。彼は、「CDSの規模は大きくないが、債務不履行宣言への恐怖感のため投資心理に
悪影響を与える可能性がある。だが、今までギリシャのデフォルトリスクを価格に反映し証拠金を積み上げてきた。そのため、デフォルトが
発生してもAIGの時と同様な取引先リスクに発展する可能性は少ない」と予想した。
CDSは国債投資家がリスクを分散するために締結される派生商品である。当該国のデフォルトや債務返済延期などのクレジットイベントが
発生すると、CDSの買い手はデフォルトによる補償金を受ける反面、売主は損失を背負うことになる。
東亜日報/韓国語(2012/02/24 14:42:46)
URLリンク(news.donga.com)
※1 債務交換
その名の通り、既発国債と新発国債を交換する。
保有するギリシャ国債の31.5%に相当するギリシャ新発債と、同15%相当の欧州金融安定ファシリティー(EFSF)債を受け取る。
新発国債は最長30年。
額面で53.5%の債務減免、実質損失は73~74%となる。
※2集団行動条項(CAC)
提示した交換案に債権者の半数が応じた時点で債務交換が実施され、そのうち2/3以上が賛同すれば他の債権者にも強制される。
※3 国際スワップ・デリバティブ協会(ISDA)
International Swap and Derivatives Association
米国ニューヨークに本部を持つ国際的な業界団体。
URLリンク(www.isda.org)
※4 この日にでも民間債権者に債務交換を正式要請し~
ギリシャ、民間債権者への債務交換オファーを正式発表
2012/02/25 05:51(現地時間 2012/02/24 22:51)
URLリンク(jp.reuters.com)
※5 来月12日までには全て手順を終える予定だ。
正確には「3月20日の国債償還を乗り切るためには、24日までに民間債権者に交換案を提示し、3月12日までに完了する必要がある」
※6 DTCC
The Depository Trust and Clearing Corporation
米国最大規模の金融グループで、各種証券や金融派生商品の決済及び情報サービスを提供している。
URLリンク(www.dtcc.com)