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▲「韓国政治・社会における地域主義」
人々は選挙のとき、どんな判断基準で投票するのだろうか。普通なら支持政党や政策などの基
準で選ぶと思う。しかし、韓国では今まで少し違っていた。韓国の場合、長い間、候補者を選ぶ際、
政策より大事な候補者を選ぶ絶対的な基準があったからである。
その基準とは何かというと、「地域主義」というものである。「地域主義」とは、全羅道、慶尚道な
ど地域に地盤を置いた政党が選挙で戦うことになると、有権者は「地域=政党=政治家」という図
式に基づき、自分の地域出身の候補者に投票する政治行動を意味する。日本に例えるなら、関
東地域の政党の政治家代表「石原さん」と関西地域の代表政党の「橋下さん」が、同じ選挙区で
出たと仮定すると、有権者は、私は関西だから橋下さんを、関東だから石原さんを、というように投
票することである。
また「地域主義」は、人々の生活にも影響を与え、全羅道の女性と慶尚道の男性が恋愛すると、
ロミオとジュリエットのように反対されるのである。慶尚道の男性である私が、全羅道の女性と結
婚するなら、間違いなく反対されるようなものである。
この「地域主義」を読み解いたのが本書である。著者の森康郎氏はアジア地域の研究のほか、日
本で国会議員秘書など政界の活動経験も豊富だ。森氏は、「地域主義」の形成過程を古代から現
代に至る通史的分析を通じて考察し、「地域主義」を韓国人の精神構造を形成する政治的DNAと
して把握した。また、著者は、「地域主義」をより客観的に分析するために、韓国全域でアンケート
を実施し、実証的研究の視点から「地域主義」を把握したのである。
学問的意義からいえば、日本でも、韓国でも、ここまで歴史研究と実証研究の両方の視点から
「地域主義」を捉えた研究はなく、斬新な研究としてその価値は大きい。
さらに、今年は、韓国で国会議員選挙と大統領選挙が同年に実施される。その意味でも、本書
は韓国政治を理解する上で役立つ一冊であると思われる。(社会評論社・2940円)
評・尹敬勲(流通経済大准教授)
ソース:産経ニュース<『韓国政治・社会における地域主義』森康郎著 精神構造の政治的DNA>
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