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(>>1の続き)
■中国勢の安値攻勢で汎用品は稼げない
一方で、日本の下位メーカーは今や見る影もない。かつてシェア2位を誇ったTDKは超小型品の開発に手こずったうえ、生産体制の
不備による納期遅れが原因で顧客離れが起こったといわれる。超小型品の開発には成功したのに大量受注が入らない太陽誘電は、
「採算重視の開発で、結果的に流れに乗り遅れた」と反省する。
首位の村田製作所にも“勝ち組”の余裕はない。顧客の1つであるサムスン電子はスマホのセラコンについて、半数以上をSEMCO
から、残りの大半を村田製作所から調達するとみられる。が、それ以外の製品で今後、村田製作所を重用する理由は乏しい。
スマホ以外のセラコンでは、すでに中国系の部品メーカーが台頭し、価格下落が止まらない。赤字すれすれで低価格を提示する
中国系メーカーは「体力の限界に近い」(メーカー関係者)といわれるが、出荷台数を拡大する中国系完成品メーカーからの採用率
は高く、日本メーカーやSEMCOにとってさえ、頭の痛い競争相手となっている。
村田製作所の村田恒夫社長は「“ファーストワン”でないと儲からない時代になった。とにかく同業より高付加価値の製品を『先に』
出すことだ」と言う。まずは13年春までに海外生産比率を3割(現在2割)に高め、原価低減を図る。
超小型品はこれまで福井を中心に国内のみで生産してきたが、技術流出に細心の注意を払いながら、近い将来、中国など自社
の海外拠点へ移す可能性もありそうだ。
技術で並んだ日韓2強。スマホを舞台に激しい戦いが繰り広げられる一方、取り残された下位グループは追加のリストラ、再編まで
発展する可能性はありそうだ。
(終わり)