12/02/06 00:30:05.44
最近、新聞を見るのがつらい。例えば、韓国勢は以下の通り絶好調だ。
「サムスン、営業利益76%増、今年の設備投資は1.7兆円」
「現代自動車、純利益5600億円、世界の5強の一角に」
一方、日本は、お寒い限りである。
「NEC、5000人削減、今期1000億円の赤字、無配に」
「エルピーダ、900億円の赤字、米国・マイクロンや台湾・南亜科技との提携交渉へ」
嗚呼、またエルピーダメモリが合併(提携)先を探している・・・。
■エルピーダは合弁地獄に陥っている
何度も本コラムで指摘してきた通り、日本半導体には過剰技術で過剰品質を作る病気がある。だから、エルピーダは収益率が
低い(他の日本半導体メーカーも同様)。そのため、DRAM価格が下がると、すぐに赤字を計上する。自分1人(1社)ではどうにも
ならなくなり、弱い者同士で合弁したり提携する。すると、2社間に摩擦や混乱が勃発する。その間、技術開発は停滞し、他社に
後れを取る。
ところが、景気が回復しDRAM価格が持ち直すと、あら不思議、あの苦しみはきれいサッパリ忘れ去る。そして、再び不況になり、
DRAM価格が低迷し、1社(合弁した2社)では心許なくなり、新たな提携先(弱者)を探す。それでもどうにもならない時は、公的
資金を注入するなどカンフル剤を打って延命策を取る・・・。
結局、同じことの繰り返しだ。「悪臭は本から絶たなきゃダメ」ということを知らないのだろうか? 弱者をいくらたくさん集めても弱者
のままだ。
エルピーダ単体で、高収益体質を構築できない限り、合弁(提携)地獄はいつまでも続く。そして、その都度、合弁(提携)の
ドタバタが企業体力を奪っていくのである。
■合弁・提携しても高コスト体質は直らない
「それでもしかし」と反論する人が、必ずいらっしゃる。
図1=企業別DRAMシェア(2011年7~9月期)、出所:米IHSアイサプライ
URLリンク(jbpress.ismedia.jp)
現在、メーカー別のDRAMシェアは図1の通り。「3位のエルピーダ(12.2%)、4位のマイクロン(12.1%)、5位の南亜科技(3.5%)
を足し合わせれば27.8%になり、2位のハイニックス(21.6%)を上回るではないか。DRAMは規模がすべてだ。シェアを取ることが
何より大事だ」と。
言っていることは分からなくもない。もし、合計シェア27.8%が維持できるなら、さらにそのシェアを増大できるなら、その人の言って
いることは正しい。
しかし、現実はそうはならない。例えば、2000年にエルピーダが設立された時、NEC(12%)と日立製作所(4%)を足し合わせた
合計シェアは16%だった(図2)。ところが、エルピーダのシェアは1年後に半分の8%になり、2年後に4分の1の4%に低下した。
図2=エルピーダのDRAMシェアの推移(出典:iSuppliのデータなどを基に筆者作成)
URLリンク(jbpress.ismedia.jp)
また、2009年のリーマン・ショックを機に、エルピーダは産業再生法適用第1号認定を受けて300億円の公的資金注入をすると
同時に、台湾メーカーとの連携に動いた。ところが、その後やはりエルピーダのシェアは低下している。
合弁や提携で合計シェアが増大することを主張する論者は、この現象をどのように説明するのでしょうか?
結局、合弁や提携で一時的に合計シェアが増えたとしても、各社が高コスト体質である本質的な問題は何も解決されていない。
だから、合弁や提携した時以上にシェアが増えることはなく(むしろ低下し)、不況が来れば赤字ということを繰り返すのである。
(以下略。上記は導入部です。全文はソース元でどうぞ)
ソース(JBPRESS) URLリンク(jbpress.ismedia.jp)