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ソウル駅前に設置されたシェルター取材
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写真: ソウル駅前派出所付近の地下道に設置されたホームレス向け緊急シェルター(ホームレスの避難所)。ホームレスたちは毛布や
寝袋に身を包み、見回りの担当者が通り過ぎる横で眠りに就こうとしている。中には1人で広いスペースを確保する人、場所取りに
負けて冷たい床にマットレスを敷いて寝る人もいる。1月30日夜撮影。/パク・サンギ記者
「われわれはここを“捕虜収容所”と呼んでいる。力のあるヤツが無条件で支配しているからだ」
先月30日午後7時30分、ホームレスの取材のため、ソウル駅派出所付近の地下道に設置されたシェルター(ホームレスの避難所)を訪
れた。入り口近くに立っていたホームレスのSさん(58)は、周りの目を気にしながら上記のように語った。Sさんはこの日、同じホームレスの
Aさん(56)に酒や菓子などの手土産を持参し、この施設に入ることができた。
Aさんはソウル駅で10年以上にわたりホームレス生活を続けており、ホームレスの間では「アニキ」と呼ばれている。Sさんは「Aのような力の
あるヤツに焼酎を持って行ったり、夜は使いっ走りをするなどして機嫌を取らなければならない」「ここで寝られるのは、(暴力などで)血を見る
ことを何とも思わないヤツや、(力のある人間に)カネや酒を貢いだ人間ばかりだ」と語る。この日も、ここを初めて訪れたあるホームレスが
休もうとしたところ、数人から立ち入りを妨害され暴行を受けた末に、外に追い出された。
ソウル市は昨年12月15日にこのシェルターを設置する際「ソウル駅から近いため、ホームレスを保護するには都合がよい。彼らがホームレス
生活を抜け出し自立するに当たり、力になるものと期待する」とコメントした。しかしホームレスたちはここを訪れても、実際はまともに横になる
ことができない状況にあるようだ。
シェルターの広さはおよそ250平方メートルで、床暖房施設が設置された部屋が二つある。定員は80人ほどだが、毎日200人近くいホーム
レスたちが寒さをしのぐためやって来る。ここではホームレスたちに軍隊用の毛布が貸し出される。シェルターは午前8時と午後6時の2回の清掃
時間(1時間から1時間半)以外、終日開放されている。
このシェルターの存在が口づてに広まると、富川など京畿道からもホームレスが集まるようになり、場所取りが難しい状況にある。Aさんのような
リーダー的な人物を中心にグループができ、手土産を持参した新入りに場所を提供するが、グループに入れなかった人は寝る場所がない。
ホームレスのKさん(40)は「永登浦からやって来たグループにナイフで脅されたこともある。みんな酒に酔っていることもあって、毎晩トラブルが
発生し、静かに寝ることはできない」と話した。
この日も夜7時30分ごろ騒動が起こった。あるホームレスが「いびきがうるさい」という理由で隣に寝ていた人を殴り、ケンカになった。また
夜10時50分ごろには、自分の寝場所に不満を持ったホームレスが「なぜこんな所しかもらえないのか」と叫ぶと、別のホームレスが「やかましい」と
言い返したため、ケンカが始まった。2人はもみ合いながら床に倒れ込み殴り合いを始め、狭い空間は一瞬にして大騒ぎになった。この日の晩
だけで同じようなトラブルが10件ほど発生した。
パク・サンギ記者
(>>2以降に続く)
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版: 2012/02/01 10:31
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