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（>>1の続き）
もう一つ、今回のようなテレビ局のイベントにファンが熱狂するのは、テレビ番組としても生中継されるため、一層豪華に演出された
舞台を楽しめるからだ。今回、全6時間のイベントは、ライブを含め、世界20カ国で放送された。男性グループSUPER JUNIORの
舞台では、メンバーが客席内からワイヤーでつるされて登場し、約100人のダンサーと会場を盛り上げた。また、グラミー賞を6度受賞
した米国の人気ヒップホップグループ、ブラック・アイド・ピーズのメンバーがゲスト出演し、女性グループ2NE1のメンバーとデュエットする
など、コストをかけたテレビ局ならではの演出が披露された。
今回の主な受賞者は、前述の2NE1が“今年の歌賞”、SUPER JUNIORが“今年のアルバム賞”で、少女時代が“今年の歌手賞”
という結果だった。いずれも日本での単独公演で1万人規模の会場を満席にする面々だ。今のK-POPブームについて、日本、韓国、
そしてアジア各国における人気者は同じ。時間差はほぼ無い。
ファンは最新の情報を求めている。日本、韓国、ひいてはアジアでの活動についても、即座にツイッターなどで書き込みが流布する。
そんななかで、今回のような海外からのリアルタイムでのイベント放送は、ファンにとって、貴重な機会。「視聴者の高い反応を実感
している」と語るのは、今回のイベントを日本で生放送し、12年1月22日にスカパー！やJ：COMなどで字幕付きで放送するMUSIC
ON！ TVの執行役員で営業部ゼネラルマネージャーの金吉唯彦氏だ。
同局では、K-POP以外に、J-POPや洋楽も放送しているが、「K-POPの番組は、視聴率が明らかに他よりも高く、プレゼントにも
多くの応募が寄せられる。こちらが出す情報に対し確実に反応があるので、番組の送り手として、K-POPは面白い」（同氏）。
同社は今回の授賞式で“最も熱いアジアの歌手賞”を受賞した倖田來未の現地参加も後押しした。「日本のアーティストの実力
の高さを、もっと知ってほしい」（金吉氏）からだ。実際、彼女に対する会場の反応はよかった。バラード曲でしっとり聴かせたあと、
黒のタイトなコスチュームに早変わりし、迫力あるダンスを見せると、会場の熱気は最高潮に。米国のヒップホップやR＆Bに影響を
受けたK-POPを愛好するファンは、ノリのいい曲を好む。そこに日本の音楽がアジアでさらに拡大する鍵があるかもしれない。
■スター共演イベントでアジアへ
現在でも、日本や韓国の歌手は、アジアほか海外で積極的に公演している（表参照）。ただ、日韓が対照的なのは、日本の歌手
は単独公演が主流なのに対し、韓国勢は多数のスターの共演を売りにするイベントが多いこと。今回の授賞式の盛り上がりを見ると、
今後、日本からも同様の集合イベントを海外に持ち出せば、熱くなっているアジアの音楽市場で、さらなる存在感をアピールできそうだ。
表＝2011年下期、日韓の有名人が海外公演を実施した主な例
URLﾘﾝｸ(trendy.nikkeibp.co.jp)
（終わり）