12/01/26 21:49:14.22
■ CESにおける“日本のテレビメーカーはもうダメ”論
14日に閉幕したInternational CESの報道では、テレビ分野における韓国メーカーの躍進と日本メーカーの凋落。そんな視点で
描かれた記事を目にすることが少なくなかった。確かに為替面(ドル安ではなく、ユーロ安や対ウォンに対する円高が大きく響いている)
での環境は厳しい。リーマンショック後の回復途上での苦難という面も重なり、日本の電機メーカーが厳しい状況にあるのは確かだ。
これらは一時的な製品開発の投資やマーケティング投資には大きな影響を与えているため、表面的に日本メーカーが沈んでいる
ように見える。技術面でも韓国電機メーカーのR&D投資は大きい。特にサムスンに関しては、政府を挙げて資金面でも経営環境面
でもバックアップしていることが競争力を高めていることは確かだ。
写真=LGブースでは、CINEMA 3DとSMART TVを大プッシュ
URLリンク(av.watch.impress.co.jp)
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写真=世界最大55型有機ELをアピール
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写真=Samsungブース
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写真=55型有機ELを“Ultimate TV”として訴求
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しかし、実際に現場で取材をした感覚からすると、報道ほどに日本メーカーが沈んでいるという印象は持たなかった。日本のメーカー
に米国のメディアや流通が興味を失っているという報道は、かなり偏ったものだと思う。たとえばウォルマートはサンヨーブランドの製品を
大量に扱っていたが、パナソニックによるサンヨーブランド廃止にともなって日本ブランドを失うことになった。パナソニックはこの契約を
引き継がなかったため、日本ブランドを必要とするウォルマートは船井電機を推していくことになっている。
確かに55インチという北米における主流となるサイズの有機EL(OLED)テレビを韓国2社が揃って展示し、年内の発売を示唆したと
いうニュースはあったし、為替問題を中心とした収益構造の問題が、日本の電機メーカーを圧迫しているのは確かだ。
写真=SamsungのSMART TV
URLリンク(av.watch.impress.co.jp)
新規開発パネルを用いたアグレッシブなデザインの追求、“スマート”をキーワードにした機能提案の数(ただし質はまた別)など、
韓国メーカーの攻勢は苛烈である。しかし、多くの話題を提供したものの、質の面ではまだまだ洗練されていない。
企業の経営評価という面はともかく、消費者の目線で製品を見ると、日本メーカーの力はまだ衰えていないとも感じる。韓国の
テレビ開発エンジニアとは、これまでに何度かテレビの機能や画質について議論したことがあるが、画質に対する考え方や改善の
方法論が確立されていない、という印象だった。もちろん、アグレッシブに毎年、エンジニアは改善をしようと努力しているが、“コストの
かけどころ”はテレビとしての質を高める方向ではなくデザイン性に向いている。
“日本のテレビメーカーはもうダメだ”という論は、これらの背景もあるのではないだろうか。最上位に高いデザイン性の商品を置き、
中位モデルに低コスト(かつ収益性の高い)のデザインイメージを引き継ぐ製品を置くなどの手法で大量販売を狙い、為替などの
優位性も活かして韓国メーカーは伸びてきた。しかし、展示会は単なる人気投票の場ではない。
もちろん、いずれは追いつかれるのかもしれないが、一方で製造装置メーカーなどから話を聞く限り、OLEDテレビの大型化が
本格的に始まると思われる2014年ぐらいまでに、中型以上のOLED生産は、幅広いメーカーに拡がっていくようだ。
(以下略。上記は導入部です。全文はソース元でどうぞ)
ソース(AV watch、「本田雅一のAV Trends」)
URLリンク(av.watch.impress.co.jp)