12/01/15 12:32:12.11
宗主国?自分のものであることを強調するために作り出された言葉だ。テコンドーで使われ始め
たこの表現は、テコンドーが過去、日本の空手を変えたものと言われることを心配して必ず付ける
修飾語だ。長い間、中国文化圏で事大したという自激之心、そして日帝植民支配から出た文化的
警戒心の発露なのだろう。
どれほど宗主の扱いを一度、受けてみたかったのだろうか。単一民族、白衣民族、血統主義、純
潔主義、潔癖主義ももしかしたら植民支配による文化的劣等感から出た反発でもあるのだろう。
実はそれ以前にも似た表現を使ったことがあった。それは十八技の「本国剣」だ。「新剣」ともいう。
有史以来、中国について敢えて本国と言う表現を堂堂と名付けた初の事例だろう。壬辰倭乱、丙
子胡乱を経験しながら朝鮮の武技があまりに不甲斐なく中国と倭国のものさえ受け入れなければ
ならなかった現実を嘆きながら、少なくともこれ一つだけは私たちの武技、すなわち本国の剣法で
あることを強調するために付けた名前だ。
テコンドーが世界の人々が楽しむスポーツとして、オリンピックの核心種目として残ろうとするなら
ば、一日も早くこのナショナリズムの匂いがする‘宗主国’と言う表現を消すべきだ。加えてこのご
ろ使われる‘韓流’‘K-pop’と言う用語もよほど心配になる表現だ。個々の商品名で推し進めて勝
負すれば長続きする。商品や作品を愛国心で包んで国家主義を全面に立てるのはあまり粹では
ないという話だ。
それはもう日本が失敗した前例を踏むということだ。剣道が世界化されないのも度外れた国家色
のためだ。国名という巨大な単一ブランドを利用すれば最初は力を得るが、少し経てば直ちに抵
抗にぶつかるようになる。過去、日本がそうだったように韓国経済が成長するほど他の国々は相
対的に剥奪感を感じるようになり、コリアという国家ブランドを連想させる商品や種目であるほど向
かい風が強くなるということだ。
国家ブランド委員会?こんな開発途上国的発想は一日も早く消えなければならない。コリアを知ら
せて伸びゆく国家イメージに便乗したい気持ちは理解するが、それは純然たる私たちの念願にす
ぎず、消費者は必ずしもそのように思わない。腹の中はコリアに対する自負心であふれていても、
それを外に現わして誇示するのは愚かな事だ。
(中略:テコンドーの話)
もはや世界の中での韓国の位置は、上だけ眺めながら這い上がるばかりの国ではない。もう上下
左右の牽制と協力を同時にして行かなければならない位相と責務を持ったリーダーの国だ。今そ
の試験台に上がっている。それがすなわち先進国への入り口だ。何より世界人とともに行こうとす
るならば、まず相手に対する思いやりが優先される。それがなければ協力、交渉、疎通、共感
等々、一緒にやればできるどんなことも容易ではない。
テコンドー宗主国の位相?権威、権利、態度?すべて捨てて、ただ思いやりのみを思わなければ
ならない。それが最上級のスポーツ外交だ。それでこそ品格が上がる。それでこそ国格も上がる。
韓流や国格に便乗するのではなく、前衛から高品格志向に導かなければならない。慇懃と根気、
それが元々韓民族の心性ではないのか?もうその美徳を活かさなければならない。
自信から湧き出る淡々としながらも堂々たる思いやりの心、それがグローバル時代の武魂と同時
に武徳だ。
シン・ソンデ論説委員
ソース:デイリアン(韓国語) 文化に宗主国はない(部分訳)
URLリンク(www.dailyjn.com)