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［ソウル／東京 １９日 ロイター］
北朝鮮の金正日総書記の死去を受け、日米韓など関係国は同国の政治的な混乱などに警戒態勢を強めている。
野田首相は正午過ぎ、政府内に情報収集態勢の強化や米中韓など関係国との緊密な情報共有などを指示。
不測の事態に備え、情報収集や体制整備を急いでいる。
北朝鮮の国営テレビは１９日、最高指導者の金正日総書記が１７日に死去したと報じた。６９才だった。
北朝鮮国営の朝鮮中央通信社（ＫＣＮＡ）によると、金正日総書記は１７日に列車の中で重度の心臓発作を起こし、
１８日に行われた検視で死亡原因が確認されたとしている。また、金総書記の三男で後継者と目されている
金正恩氏が葬儀委員長を務めると伝えた。
金総書記死去の報道を受け、日本政府は正午過ぎ、首相官邸内の危機管理センターに、同総書記死亡に関する
官邸対策室を設置。直後に野田首相が、政府内に、１）北朝鮮の今後の動向について情報収集態勢を強化すること、
２）米国・韓国・中国等関係国と緊密に情報共有すること、３）不測の事態に備えて万全の態勢を取ること─の
３点を指示した。
午後１時には緊急の安全保障会議を開催。終了後に会見した藤村修官房長官は、不測の事態について「金融や
（北朝鮮の）国内情勢、国境などさまざな問題がある」と述べ、関係省庁担当局長会議や合同情報会議などを
断続的に開いて情報収集や体制整備にあたる考えを示した。
米ホワイトハウスは、金総書記死去の報道を注意深く監視しているとの声明を発表。カーニー報道官は「米国は
引き続き、朝鮮半島の安定と同盟国の自由と安全保障にコミットする」と表明、米政府関係者は日韓両国と緊密に
連携をとっていると語った。
午後にはオバマ米大統領と韓国の李明博大統領が電話で会談した。韓国の大統領府（青瓦台）の安保当局者に
よると、李明博大統領は、金総書記死亡を受け、国民に対して冷静な対応を呼びかけるとともに、地域の安定
確保のため、近隣国や国際社会と協議していることを明らかにした。日本の外務省関係者も、あらゆる事態に
対応できるよう、関係国と協議するとし、すでに米韓とは協議したと語った。
北朝鮮情勢をめぐっては、葬儀委員のトップに名を連ねた三男の金正恩氏への権力継承がスムースに行われるかが
焦点。２０代後半とみられる同氏はまだ若く、権力継承準備の時間がほとんどなかったことは明らかだ。
韓国のシンクタンク、韓国統一研究院のChung Young-Tae氏は「金正恩氏はまだ正式な後継者ではないが、
これから彼を中心とした体制づくりが進むだろう。権力闘争が勃発する可能性も大きい」と述べている。
Reuters／日本語版（2011/12/19 16：09）
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