11/12/18 12:44:58.30
中堅化学メーカー「クレハ」の子会社「クレファイン」（東京都中央区）の不正輸出事件で、外為法違反容疑で
書類送検された同社の元管理部長（４４）が、軍事転用可能な炭素繊維の成型品を、中国の軍需産業グループに
確実に届けるために、台湾企業を迂（う）回（かい）させることを当初から了承していた疑いが強いことが１７日、
警視庁公安部などへの取材で分かった。公安部は“中継地点”となった台湾企業が中国側の意向を受けて
迂回輸出を主導したとみている。
捜査関係者などによると、元部長は平成２１年５月ごろ、クレファインの株式３０％を所有する台湾企業と協議。
高品質の炭素繊維の成型品を、この企業を経由して中国の軍需産業グループへ運ぶことを了承したうえで、輸出
手続きをとった。その際、品質が低く安価な５万円以下の成型品などにかぎって許可手続きが必要ない「少額
特例制度」を悪用。サンプル品を装って無許可で台湾へ送り、その後、中国へ転売させていた。
転売先は、中国・蘇州にある軍事機器メーカー傘下の半導体設計・開発会社。公安部は成型品などが
最終的に中国人民解放軍に渡った可能性が高いとみている。
迂回地点となった台湾企業は、クレファインに対して中国や東南アジアの販売ネットワークを提供していること
から、元部長がこの企業の要請に従った疑いが強いという。
不正輸出された成型品などはミサイル製造にも欠かせない代物とされ、日本の安全保障上、大きな脅威となる
ことから、公安部は元部長の認識の有無が重要なポイントになると判断している。
クレファインは、これまでに計３０件の不正輸出を台湾に行った疑いも浮上しており、公安部はこの中にも迂回
輸出があった可能性があるとみて調べている。
クレファインは２０～２１年に中国・蘇州の会社に対して、４回にわたって正規の許可を得た輸出も行った。公安部は
これについても「頻繁な輸出から軍事転用を疑われることを恐れた疑いがある」とし、捜査を継続している。
公安部によると、元部長はこれまでの調べに対し、不正輸出の容疑を大筋で認めた上で、「軍事転用の可能性は
ないから大丈夫だと思っていた」などと説明。動機については「許可を得ると２～３週間かかるので、納期に間に合わな
かった」と釈明している。
クレファインは、クレハが株式の７０％を所有する子会社で、２０年９月に設立。元部長は２１年１月と５月に２件の
不正輸出を行ったとして書類送検されたが、それ以前に所属していたクレハでも不正輸出に関わっていた疑いが持た
れている。
msn産経ニュース: 2011.12.18 07:00
URLﾘﾝｸ(sankei.jp.msn.com)
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