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∞カンボジア、日本企業などの誘致強化 中国依存脱却を狙う
【プノンペン=伊藤学】カンボジアが外資導入の分散に力を入れ始めた。同国は中国からの投資が
突出しているが、日本などに進出を働きかける。隣国のベトナムは中国との対中貿易赤字に苦しみ、
日米との経済連携の強化に動き出している。一国に偏重した経済発展のもろさを目の当たりにしてお
り、複数国の企業誘致を進め、アジアのサプライチェーン(供給網)の一角として存在感を高めたい
考えだ。
ミネベアはカンボジアの首都プノンペン郊外の工業団地で17日、新工場の開所式を行った。家電や
電子機器向けの小型モーターを組み立てる。最終的に5000人の従業員を雇用する見通し。同開所式に
はフン・セン首相も出席した。同国政府は同社に5年間、小型モーター生産の排他的独占権を認めた。
「国の制度に不十分な点があれば言ってほしい。整備する」と首相は同社に伝えていたという。
首相自ら日本企業の誘致を促進する狙いは中国依存からの脱却だ。1994年~2011年9月に中国の
対カンボジア投資は累計88億6600万ドル(約6900億円)。外国直接投資(FDI)の2割強を占め、国別
で1位だ。投資先はリゾート開発や発電所建設が中心。カンボジアが期待する製造業への投資は少
なく、産業発展や雇用確保にも結びついていない。「カンボジア政府は中国依存に危機感を抱いた」
(日本外交筋)という。
11年1~11月の日本企業による投資額は10年の2倍となる7300万ドル(約57億円)に増えた。住友
電装や矢崎総業が自動車向けワイヤハーネス工場を建設するなど、労働集約的な輸出加工・組み
立て産業の進出が増加。タイやベトナムを含めたアジアの供給網に組み込みつつある。
カンボジアが中国依存を避けたい背景には、隣国ベトナムの教訓もある。ベトナムの10年の対中貿易
赤字は126億ドルに膨らんでおり、貿易赤字全体とほぼ同額。縫製品など最終製品の生産が拡大する
一方で、原材料・部品の中国からの輸入が増え続けているため。カンボジアは家電や自動車部品など
裾野産業を優先的に育てることで、輸入の中国依存を抑え、ベトナムやタイへの部品輸出拠点としても
成長しようとの狙いだ。急速に対外開放を進めるミャンマーも中国依存の脱却を志向しているといわれる。
ソース:日本経済新聞電子版 2011/12/17 19:52
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