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∞【萬物相】平和の碑
フランス・トゥールにあるミラボー小学校の正門の柱には、こんな石板が取り付けられている。
「ノルベール・クローネンバーグ12歳、ルネ・クローネンバーグ6歳、エステル・ゾマースタージュ
ン8歳、ジョセフ・ゾマースタージュン12歳、フォレット・ゾマースタージュン5歳。これらの生徒は
1942年6月にトゥールで逮捕され、9月にアウシュビッツに連行された。彼らはナチス・ドイツとフラ
ンス・ビシー政権の法により、毒ガス室で処刑された。彼らがユダヤ人に生まれたために」
ナチス・ドイツは1942年から44年にかけ、フランスに暮らしていたユダヤ人7万6000人余りを強制
収容所に送った。2005年以降、フランスの全ての学校で、在学中に虐殺されたことが分かった生徒を
追悼する石板が設置されてきた。学校の正門や塀を碑石とする石板の最後の文は、必ず大文字で「彼
らがユダヤ人に生まれたために」となっている。
修飾語を使わず事実だけを記した碑文は、見る人の胸を一層締め付ける。パリの凱旋(がいせん)
門の下には、第1次世界大戦で戦死した無名兵士の墓がある。碑文には「祖国のために死んだあるフ
ランス兵士が、ここに眠っている」とだけ書かれている。ロンドン・ウェストミンスター寺院に埋葬
されたある無名兵士の碑文には「名前も階級も知られないある英国軍兵士が、この石の下に眠ってい
る」とつづられている。
今月14日正午、在韓日本大使館前で元日本軍従軍慰安婦の女性らが1000回目の「水曜集会」を開い
た。元慰安婦たちは、市民の寄付で制作した慰安婦問題を象徴する銅像「平和の碑」を大使館前に設
置した。手を膝の上に置き、いすに腰掛けている短髪の少女像だ。銅像には、韓国語、英語、日本語
でこんな碑文が刻まれている。「1992年1月8日からここ日本大使館前で開かれた日本軍慰安婦問題の
解決を促す水曜デモが、2011年12月14日に1000回目を迎え、その崇高な精神と歴史を受け継ぐため、
この平和の碑を建てる」
日本政府は平和の碑の撤去を要請したが、韓国の外交通商部(省に相当)は「平和の碑の建立は、
日本政府の責任ある問題解決と名誉回復を求めてきた被害者の思いが反映されたものだ」としてこれ
を拒否した。19年11カ月にわたり水曜集会が行われている間、234人の元慰安婦のうち171人がこの世
を去り、生存者は63人だけとなった。たった1文の碑文には、元慰安婦の深い恨みが込められている。
日本は毎日この平和の碑を見ながら、戦争犯罪を反省し、元慰安婦たちの「血の涙」をぬぐってやる
べきだ。
朴海鉉(パク・ヘヒョン)論説委員
ソース:朝鮮日報日本語版 2011/12/16 09:09
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