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ひとが本当に感動するとき、殆どの人が、技術よりも、ストーリーに、その主義主張に、涙を流すのです。
キースの小さな慟哭や、とるにたらない、セリフ、小さなマグの叫びが、心に届いた時、
それは、技術でも、なんでもなく、文字を超えた、読んだ人の中にあるものを揺さぶるからです。
技術に溺れそうになる、私に、キース・エヴァンス物語という孤高の処女作は、まだ教え続けてくれます。
技術よりもなによりも、伝えたかった言葉、それが本物であったからこそ、
少なくない人が、技術を忘れ、欠点を忘れ、読み続けてくれていたのだと。
112万文字は、書いている本人にも、とてもつらい戦いでしたが、
読んでいる人間にとっても、読みとくという、果敢な戦いになります。
それを乗り越えさせているのは、キース・エヴァンス物語の場合、ひとえに、ストーリー性なのです。
私の感性であり、それに響く読解能力を持ち、
一緒に考えることの出来る、紛れもない、人間との、コミュニケーションなのです。
私は近頃、やはり技術に惑わされそうになります。技巧的な表現に心惹かれてしまいます。
ですが、技術は無茶苦茶だったけれど、その代わり、自然に文章に息継ぎをさせる事の出来た、
かつての私という作者は、素晴らしいと。
原点を忘れてはならないと思うのです。
キース・エヴァンス物語が発表されて、実に6年になりますが、
私の手元には毎月1通、多い時には6通に及ぶ、総帥FC(仮)新規入会者からの、感想と、アンケート、
そして、会員登録希望のメールが送られてきます。
あなたが一番良かったと思う、PSYADの作品はなんですか?
キース・エヴァンス物語
サイキックフォースが発表されて、もうすぐ8年、
8年間語り継がれ、よみつがれ、今なお、感想を貰えるこの美しくも破綻した処女作が、
自分の処女作であったことを、私は誇りに思います。
そして、その魂は、ファンタシースターオンライン
The place to which a soul returnsソウルリターンズという物語 に、きちんと継承されている筈です。
一度自分が起こした奇跡を、私はもう一度生み出したい。