12/03/22 09:48:21.58 fOyrQkTp
>>219
おれも、ずいぶん前に一回観たきりだから、確定的なことはいえないが、
作品内に、自殺につながる理由はないように感じたな。
無論、自らしたことの罪の重さに苦しんで、という解釈もあるのだろうが、
1922年生まれのハンナは、終戦時、まだ23才とかだ。
ナチスに雇われたのは、もっと前だろう。
彼女が文盲であったという事実から、下層階級出身者が、食い詰めた挙句、
ナチスに拾われたか、転がり込んだか、いずれにせよ、そこで主体的な選択が
出来るような状況でもなかったし、知的能力も低かった。
客観的に見て、彼女の罪は、軽い。
となると、作品外部に、理由があるように思える。
つまり、欧米人に根強く残る、ナチス、ホロコーストに対する、強い処罰意識だ。
ナチスやホロコーストに関わった人間は、いかなる形でも、
たとえフィクションの中であっても、幸せになってはいけない。
そういう意識。
これは、ヴォネガット「母なる夜」を読んだ時にも感じたことである。