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(>>1の続き)
視聴率が高ければ、番組が打ち切られることはそうそうない。逆にいうと、数字は生命線だ。今では高視聴率
バラエティ番組として安定している『世界の果てまでイッテQ!』も、ディレクターの古立善之によると、番組開始時は
視聴率が伸び悩み、さらに海外ロケが多いため、当時のユーロ高に影響を受けて大赤字だったという。そんな番組存続の
瀬戸際を救ったのは、もちろんイモトアヤコ。大学生だったイモトのVTRを番組のメインにしたところ、大幅に
視聴率が上がったのだ。
しかし、なぜ素人同然のイモトを起用したのか。そこには彼女のレスポンスのよさもあったが、古立が参考にしたのは
萩本欽一の「番組をヒットさせるときに遠いところから連れてこい」という理論だった。有名な人よりも、誰も
知らない人のほうがハネる可能性は高いのではないか……その見立ては見事に当たったわけだ。古くは『進め! 電波少年』
が、最近では『月曜から夜ふかし』の株主優待券生活の桐谷さんなどが話題になっていることからも、古立の「人探しに
勝利した番組は当たっています」という言葉には納得だ。
もちろん、視聴率の捉え方は人によってさまざま。『探偵! ナイトスクープ』のプロデューサーである松本修は
“数字は悪いけど、いい番組”というのは言い逃れだと話し、一方、『アメトーーク!』のプロデューサー、
ディレクターである加地倫三は「視聴率をまったく吟味しません」と語っている。むしろ、長く視聴者に愛され
続けている両番組から見えてくるのは、問題は視聴率ではなく、面白さ、新鮮さを追求する姿勢。前出の田原が
「コンプライアンスに縛られない土俵をいかに用意するか」が重要だと話すように、テレビ離れの一因は批判を
恐れて“無難”に済ませる傾向にもあるのではないか。
『家政婦のミタ』や『あまちゃん』『半沢直樹』などのブームで、視聴率が取れない言い訳をネットに
押しつけられなくなったテレビ業界。目を向けるべきは、その内部にあるのかもしれない。
(ダ・ヴィンチ電子ナビより)