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>>624の続き
作家で社会批評家のドワイト・マクドナルドは、広島で惨劇が起きる前にこの人間性の喪失をすでに的確に描写している。
一九三八年にフランコ将軍の爆撃機がスペインの民間人を何百人も殺したときの「わが目を疑う恐怖と義憤」が、
東京で民間人数十万人が殺されたときの「見下げはてた無関心へ」と変貌する過程を、彼はこう説明した。
「私たちは虐殺というものに麻痺してしまったのである。
ミトリダテス六世は毒に対して免疫をつけるために毎日少量の毒を摂取し、その量を徐々に増やしたと伝えられる。
この一〇年で徐々に惨事が増えてきたために、私たちはみな程度の差こそあれ『道徳のミトリダテス六世』になったのだ。
他人への共感に対する免疫を獲得したのである」。
「オリバー・ストーンが語る もうひとつのアメリカ史 1 二つの世界大戦と原爆投下」 P368-369より