13/01/29 12:10:56.30 0
(>>1の続き)
ところが、日本の音楽業界は、売れることを重視しすぎて「安全パイ」を選ぶということを、
20年にもわたり続けてきてしまった。
90年代のようにCDが100万枚、200万枚と売れるころに、新たな音楽に向けた冒険をするべきだったが、
安全第一で守りに入って、ユーザーと成長することができなかった。
―結果として、音楽家たちが良い音楽を作るための制作費もジリ貧になっていると聞く。優良スタジオも姿を消している。
生楽器をベースにしているグループはかなりきつい。ただし、スタジオが潰れていくのは確かに困るが、音楽は
極論でいうと、(デジタル機器が発展し価格も下がった)今の時代どこでも作れる。
やっぱり、問題の所在は、顧客のニーズに対して、業界があまりにも保守的で、自分で自分の首を締めていったことに
ある。似たようなものしか出せなくなって、ユーザーも飽きてしまった。そこに問題がある。
―海外は違うのか。
60年以降のアメリカの音楽を聴き比べると、60年代、70年代……とどんどん変わっているのがわかる。日本でも
60年代、70年代は変化を続けていたが、90年以降は音楽があまり変わっていない。
興味深いのは、80年代より前の人の方が、海外へのあこがれが強かったからか、海外の情報を知るのが
難しかったのにもかかわらず、外国の音を取り入れていた。
なかには、かなり大胆に真似したのもあったが、それでも、新しいものを次々に取り入れていた姿勢は評価すべきだ。
皮肉なのは、今はネットで簡単に海外の音楽に触れることができるのに、挑戦しようという姿勢がない。
―産業面でのアメリカとの違いは。
アメリカの音楽業界は大産業だが、「個」というものがすごく大事にされている。例えば、アメリカの音楽家が1曲
大ヒットを出したときに、どうするかというと、「独立」という選択肢を選ぶ。自らの会社を作って、マネジャーをやとって、
それでレコード会社と契約して、やっていく。