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デビュー五十年を迎えたボブ・ディランが三年ぶり、三十五作目のオリジナルアルバム「テンペスト」を出した。
デビュー当時から音楽家である前に詩人といわれ、最近ではノーベル文学賞の下馬評に上る。
ロックと社会との接点を最初につくったとされるディラン。ブルース、フォーク、ロック…と
変化を繰り返し七十一歳の今、何が見えているのか。 (中村信也)
これがディラン最後のアルバムか-。発売元のソニー・ミュージックによると、
そんな臆測が飛び交っているという。タイトルが、シェークスピア最後の戯曲となった
「ザ・テンペスト」を思い起こさせるからだ。
そのタイトル曲「テンペスト」は、タイタニック号の悲劇を歌った十四分の大作。
影響を与え合ったジョン・レノンにささげる「ロール・オン・ジョン」など、全十曲を収めた。
ブルースやカントリーなど、アメリカのルーツ音楽に支えられ、しわがれ声でギターを鳴らす。
「私がやりたかったのは、意図的に宗教的な曲を作ること」ディランは九月二十六日に発売された
新アルバムについて、米音楽誌「ローリング・ストーン」八月十六日号でそう語り、ファンをけむに巻いた。
■「風に吹かれて」で人種偏見を撃ち、「はげしい雨が降る」で核戦争に警鐘を鳴らした、
一九六〇年代のディラン。世の中に対する若者の主張を代弁し、日本にも大きな影響を与えた。
軍需産業を糾弾した「マスターズ・オブ・ウォー」は、岡林信康が「わたしを断罪せよ」の中でカバー、
訳詞をした高石友也が「戦争の親玉」と邦題を付けた。遠藤賢司、吉田拓郎、泉谷しげる…、
ディランに心酔するフォーク、ロック歌手は多い。
下馬評に上るノーベル文学賞。受賞者を予想するオッズ(賭け率)を発表する世界最大規模のブックメーカー(賭け屋)、
英ラドブロークスは、九月十日時点でディランを十一倍で二位とした。一位は作家・村上春樹氏で八倍。(>>2以降に続きます)
ソース:東京新聞:(TOKYO Web)
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