12/08/22 19:54:57.10 0
研究者にとって阪神ほど面白い球団はない。定説の年俸総額と戦力が比例しないことが多く、勝たないと
観客が増えないと巨人が主張する説も阪神には通じない。負け続けても断トツの集客力と人気は衰えないからだ。
世界中のプロ球団の中でも類がないと言ってよいほど不思議な球団だろう。阪神が優勝争いをすると大阪を
中心とする関西経済圏が活気づくのだが、今年は諦めざるをえないようだ。
セ・リーグは巨人がトップを走る優勝争い。パ・リーグは6球団の混戦状態。興行上、共にセ・パ両リーグ
のファンが期待する状況を作り出しているが、残念なことに、観客が昨年と比較して減少している。昨年も
観客が減ったが、東日本大震災を言い訳にできた。今年は観客減少につながる要因がないので、やや心配に
なってくる。
押される野球人気
もちろん、若干は五輪の影響を受けたかもしれない。五輪出場を懸けた多くの種目の国際大会や、本番の
五輪をテレビで見る機会が多かったからだ。しかし、それだけではない気もする。構造的問題として捉えた
方が理解しやすいかもしれない。若年層の野球離れや、サッカー日本代表に熱を上げる女性のプロ野球に対する
無関心が急速に広がり、プロ野球に関心があるのは団塊世代以上の男性に限られると広言する人が増えた。
五輪で、なでしこが銀メダル、男子が4位。今後ますますサッカー日本代表に注目が集まるだろう。そして
反比例するがごとくプロ野球の人気が低下していくに違いない。周りを見たら歴然。サッカーに興じる子供は
たくさんいるが、野球をする子供は多くない。子供たちが興味を持たない野球を彼らの両親が興味を持つわけがない。
このコラムを通じて打開策を講じるように何度も警告を発した。しかし、プロ野球界は依然、天下泰平の
ようだ。条件改定の見込みが全く立たないワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に力を入れるよりも、
観客動員力の回復に取り組む方が数倍重要ではないか。