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【カーディフ(英国)29日=鎌田直秀】決勝トーナメント進出を決めたなでしこジャパンで、佐々木則夫監督(54)と選手の間で信頼関係がぎくしゃくしている。
スウェーデン戦前、佐々木監督が1次リーグについて「2位(通過)のほうがいいよね」と発言したことを、キャプテンMF宮間あや(27=岡山湯郷)やMF沢穂希(33=INAC神戸)ら主力が疑問視している。
明日31日の1次リーグ第3戦南アフリカ戦で大量得点での圧勝なら1位通過の可能性がある。目指すものは同じだけに、決勝Tを前にして、微妙な食い違いの早期修復は不可欠。指揮官の腕の見せどころだ。
スウェーデン戦後の会見で佐々木監督の表情は明らかに動揺していた。スウェーデンをオーストラリアと2度も言い間違え「疲れているな~」。
最後には「2位通過でも良いって答えましたが、選手が動揺してしまった経緯があった。乱さないでください」と、報道陣に異例のお願いをした。
佐々木監督は試合前々日の26日に2位通過も1つの選択肢と発言した。準々決勝が最大のヤマ場。1位と2位では条件が大きく違ってくる。
2位通過のメリットは2つ、1つは対戦相手だ。1位なら、直近の対戦で完敗している米国、フランスのいずれかとの対戦が濃厚。2位なら、ブラジルか英国が有力。もう1つは移動の有無。
2位なら第3戦と準々決勝が同じ会場で移動がいらない。1位なら5時間以上の移動がある。さらに最高気温も約10度違う環境となり、体調面での影響もある。
佐々木監督なりの“理由”はあったが、選手はいきなりマスコミを通じて発言を知っただけに、しこりを残した。
27日にはDF岩清水がインターネットの記事を見て、直接監督に2位狙いが真意かを確認。「そんなことはない。勝ち点3を積み重ねよう」と指揮官は訂正。
試合後にはMF宮間も「動揺はなかったが、どうなの? って感じはあった」と本音を漏らした。
沢でさえも「ノリさんの思惑通りだったのでは」と、ドローに終わった試合を、皮肉を込めて振り返った。選手と監督との認識のズレは鮮明になった。
>>2以降につづく
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