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無宗教者にはキツい「ファイナル・ジャッジメント」ネタバレなし感想+ネタバレレビュー
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問題は、設定や話運びがあまりに酷すぎることです。
まずオウラン国に侵略されるまでの過程に説得力がありません。
ほんの数分で、いつの間にか日本が制圧されています。
こうして侵略されると、出版や政治、マスコミにも影響があるはずなのに、それらもほとんど描かれません。
日本の首相や、報道による意見が全く出てきません。
自身の母国語を強要したりすることや、学校教育の変容なども全く描かれません。
何より気になるのが、「自衛隊」ということばが一瞬たりとも出てこないこと。
せっかくの問題提起も、このリアリティのなさでは台無しです。
さらに、「日本占領」という題材はどこぞに追いやられたかののように、中盤からは冗長な会話シーンが延々と続きます。
終盤の展開もツッコミどころ満載で、スリルも何もあったもんじゃありません。
自分にはこの映画を観て、以下の製作者の浅い考えしか思いつきませんでした
①「日本占領」という題材は観る人に恐怖を与えられる!
②その恐怖を映画で描けば、「日本がヤバい」ことを信者じゃない人にも知ってもらえる!
③ついでに幸福の科学の考えが正しいことを知ってもらえる!
④一般の人も信者になってもらえるかも!
はっきり言ってその試みは失敗していると思います。
何故ならこの映画で結論づけられるのは「宗教が弾圧されていても、信仰はそれに勝る」という、
国家の問題とは全くかけ離れたことであって、無宗教者には全く響かないからです。
「問題は政治的なものだけでない、心のあり方である」という主張はとてもいいですし、
そのために宗教的なアプローチを使うという試みはわかります。
しかしこの映画では、そのことを映画的な演出でなく、主人公の説法で描きます。
結果、「日本占領」が物語を進めるための足がかりだけにとどまり、宗教的なメッセージの
押し付けがましさばかりが目立ってしまっている印象です。