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テレビの有料番組を受信したり、番組の不正コピー防止に使われている「B−CASカード」のデータを
書き換え、放送事業者に金を払わずに有料番組を視聴できる方法が、インターネットで出回っている
ことが分かった。総務省は「コンテンツ保護の観点から由々しき事態。B−CASシステムの改廃に
つながりかねない問題」として調査に乗り出した。
デジタル放送の視聴を可能にするB−CASカードは、同放送に対応する全てのテレビに付いている。
不正B−CASカードは、今回のインターネットによるものとは別に、海賊版カードが数カ月前から
出回っていた。
ネット上で出回っているのは、パソコンでネットからダウンロードしたソフトを用い、テレビや録画機器
などに付いている正規のB−CASカードを書き換える方法。
正規カードで有料放送を見ようとすると、最初は一定期間の体験視聴ができるが、その後契約をしないと
ガードが掛かって見られなくなる。しかし視聴契約を結ぶと、テレビに付けたB−CASカードにその旨が
暗号化して書き込まれ、ガードが解除される。今回の方法はカードの書き換えを可能にし、無料期間を
延長することなどができる。
総務省によると、正規カードは現在約1億5000万枚発行されている。同省は今月中旬、各放送事業者や
カード発行会社に断固とした対応を取るよう求めた。同省情報通信作品振興課は「不正カードで視聴する
ことは放送法違反であり、損害賠償の対象になる」と注意を呼びかけている。
B−CASカードを発行しているビーエス・コンディショナルアクセスシステムズ(東京)は「カード改造
行為自体が損害賠償の対象になる。早急に技術的対応策を行い、不正行為の関係者を可能な限り特定の上、
あらゆる法的措置を講じて厳正に対処したい」とコメントした。【矢追健介】
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