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【ロンドン=木村正人】「メディアの帝王」と呼ばれるルパート・マードック氏率いる
米ニューズ・コーポレーションが英国やオーストラリアでライバル社の衛星放送を妨害するため、
ハッカーを援助して“ただ見”の手口をネット上で広めていた疑惑が浮上した。
マードック氏傘下の英大衆紙では組織的盗聴や警官らへの贈賄が明らかになっており、
手段を問わないやり方に改めて批判が集まっている。
26日放送の英BBC放送調査報道番組「パノラマ」によると、ニューズ社セキュリティー部門の
欧州担当者ら2人は2000年前後にニューズ社へのハッキングを行っていた英国人男性と接触。
刑事告発を見送る見返りに同社への協力を求め、年6万ポンド(約800万円)の報酬を約束したという。
この男性の証言では、ニューズ社が株式を保有する英衛星放送BSkyBのライバル社だった
ITVデジタルのスクランブル(暗号化処理)を解除するIC(集積)カードのコードを割り出し、
自ら主宰する衛星放送ハッカーサイトに掲載した。ITVデジタルの衛星放送をただで見る手口が広がり、
同社は02年に10億ポンド超の負債を抱えて倒産した。
ニューズ社セキュリティー部門のトップは元イスラエル対内情報機関のナンバー2が務めており、
イスラエルにあるニューズ社傘下のセキュリティー会社がこうした妨害工作に関わっていたという。
男性は「資金提供の見返りに、ただ見の手口を広めるよう依頼された」と証言しているが、
ニューズ社側は「ICカードのセキュリティーを向上させるため情報提供を受けていただけ」と
疑惑を否定している。
英議会で大衆日曜紙ニューズ・オブ・ザ・ワールド(廃刊)の盗聴事件を追及する
トム・ワトソン下院議員は英国情報通信庁にニューズ社が放送事業者としてふさわしいかどうか
調査するよう求めた。
オーストラリア紙によるとニューズ社は、同国でも衛星放送の利権独占を狙って、ハッカーに
ライバル社のスクランブル解除コードを割り出させ、ネット上にばらまかせていた疑いがあるという。
URLリンク(sankei.jp.msn.com)
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