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プロ野球開幕 日本中を元気付けるプレーを(3月30日付・読売社説)
プロ野球が30日、セ・パ両リーグで開幕する。日本全体を元気付ける白熱したペナントレースを期待したい。
「心をつなぐこのプレー」。これは日本野球機構(NPB)の今季のスローガンだ。
選手はプロならではの最高のプレーを披露する。それを見たファンは感動し、喜びを共有する。選手とファン一体となって今シーズンを盛り上げていきたい。
東日本大震災の被災地でも、開幕を心待ちにしていたファンは多いだろう。被災者の心に響く迫力あるプレー、白熱した試合を見せる。それもプロ野球の役割だ。
残念なのは、開幕直前になって、盛り上がりに水を差した朝日新聞の報道である。
巨人軍が1997~2004年度に6人の新人選手と交わした契約金などの額について、全球団が申し合わせた最高標準額(計1億5000万円)を超えていた、などと報じた。
だが、当時、最高標準額は緩やかな目安だった。01年にはNPB実行委員会が、最高標準額について「上限ではない」と文書で申し合わせた。上限が設けられたのは07年だった。
6選手の入団時、仮に最高標準額を超える契約を結んでも、ルール違反でないことは明らかだ。
あたかも重大な問題であるかのように報じられた選手や球団への影響は、計り知れない。
多くの球界関係者は朝日新聞の報道姿勢を強く批判している。NPBの顧問弁護士は「最高標準額はあくまで目安だった。なぜ今、問題にするのか理解できない」と報道を疑問視する。
この問題では、契約書などの重要資料が球団から流出していた可能性がある。巨人軍は疑惑解明のため、弁護士3人による調査委員会を設置した。厳正に調査を進めてもらいたい。
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