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■制作期間・費用ネック
観客が3D映画を見慣れてくるにつれ、3D化のハードルも高くなっている。
今年7月公開の「BRAVE(ブレイブ) HEARTS(ハーツ) 海猿」は、撮影開始直前まで
3D化を検討したが、結局、2Dで制作した。
10年公開の「海猿」シリーズ前作は、2Dで撮って3Dに変換。大作では先駆けとなる3D化が話題を集め、
7割弱の観客が3Dを選び、興行収入80億円の大ヒットとなった。
今作は、海上に着水したジャンボジェットからの救出劇。臼井裕詞プロデューサーは「今やるなら、3D変換
ではなく3Dカメラで撮る必要がある。撮影期間は1.5倍、制作費は数億円余計にかかる」と話す。
海猿のような大ヒットシリーズでも、現場の制作費は今作で10億円に満たない、と臼井さん。
「興行的なリスクを考えると、数億円は簡単に上乗せできる額ではない」
技術的な壁もあった。レンズが二つある3Dカメラは小回りが利かず、炎や水の中での撮影が難しい。
カメラを揺らしたり、カットを細かく割ったりすると、人間の目が3Dと感じにくいことも分かった。
臼井さんは「アクションが多い海猿のような映画は3D向きだと思われがちだが、実際に研究してみると
そうでもない。現状では2Dで制作した方が前作以上の映像を撮れると判断した」。
東映も、一昨年、昨年と3D化してきた仮面ライダーとスーパー戦隊のシリーズを、今夏は3D化しない
ことに決めた。営業担当者は「一昨年は3D版の方が観客が多かったが、昨年は2D版が逆転したため」と
理由を話す。
邦画3Dの激減について大高さんは心配する。「ハリウッド並みとは言わないが、邦画には邦画なりの
3D表現があるはず。ここで技術的な挑戦までやめてしまっていいのだろうか」
(了)