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注目作 朝鮮戦争を描いた『高地戦』は「韓国映画ルネサンス」の総決算とも言える作品
グレイディー・ヘンドリックス(ニューヨーク・アジア映画祭共同創設者)
20世紀は朝鮮半島にとって、まったく暗い時代だった。
まず日本に占領され、次に連合軍に占領された。戦争によって朝鮮半島は南北に引き裂かれ、北は独裁体制となった。
南にはクーデターによって軍事政権が生まれ、戒厳令が長く続き、大統領が暗殺され、またクーデターが起き、
また軍政が敷かれた。やっと民主化にたどり着いたのは1987年のことだった。
だからアメリカでこの1月に公開された『高地戦(原題)』のように、朝鮮戦争をテーマにした映画が韓国で作られると、
ハリウッドの戦争映画にありがちな豪華キャストをそろえた「感動巨編」ではなくなる。『高地戦』は、むしろうら哀しくて
シニカルで、反権威主義的な作品だ。それでも韓国では、昨年夏の最大のヒット作となった(日本では今年公開予定)。
軍事政権下の韓国で戦争映画に求められた役割は、国威発揚の1点だった。映画監督の李晩熙(イ・マニ)は
1965年、共産主義に同調する描写をしたとして逮捕された。李を支持する発言をした兪賢穆(ユ・ヒョンモク)監督も、
実験的映画にヌードシーンを6秒間入れたとして逮捕・投獄された。
80年代に入ると映画への規制は緩和され始めたが、裁判所の判断によって政府が検閲委員会を廃止したのは95年のこと。
以降、映画制作者たちは「政府公認」の歴史に挑むような作品を、復讐心を込めて作り始めた。
(>>2以降に続く)
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予期せぬ展開 『高地戦』はハリウッドの戦争映画のような「感動巨編」ではない (c)Showbox/Mediaplex.
Newsweek日本版 2012年03月16日(金)15時56分
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