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■選手出身のメンタルトレーナーを置く欧州のクラブ。
ヨーロッパではプロ選手経験のある人間が、メンタルトレーナーになる例がよく見られる。
たとえばバイエルン・ミュンヘンでメンタルトレーナーを務めるフィリップ・ラウックスは、もともとブンデスリーガで活躍したGKだ。
正GKとしてウルムの2部昇格に貢献し、さらに翌シーズンに1部へ奇跡のステップアップ。その後はドルトムントでもプレーした。引退するとマンハイム大学で心理学を専攻し、ドイツU20やホッフェンハイムでGKコーチを務めながら卒業。
2008年にユルゲン・クリンスマンがバイエルンの監督に就任したときに、メンタルトレーナーに抜擢された。
すでにクリンスマンはバイエルンを去ったが、現在もユップ・ハインケス監督の下でストレス克服や集中力アップなど選手のメンタル面をサポートしている。
■選手の立場を知る元Jリーガーに適任の分野だが……。
昨季、ブレーメンがブンデスリーガの残留争いから抜け出すのに一役買ったイェルグ・レールは、元ハンドボールドイツ代表だ。2度のブンデスリーガ優勝を経験し、代表キャップ数は94を誇る。
引退後にモチベーショントレーナーの会社を立ち上げ、ハンドボール、サッカー、ビジネス界など幅広い分野で活躍している。
いくら専門知識があっても、大学で心理学を学んだだけのトレーナーだと、なかなかプロ選手は耳を傾けない。
もちろんヨーロッパには学業面からアプローチして成功を収めているメンタルトレーナーもたくさんいるが、選手としてトップで戦った経験があると、より現場で信頼関係を築きやすいのだ。
ヴィッセル神戸を引退した宮本恒靖が欧州に留学してFIFAマスター(スポーツに関する組織論、歴史・哲学、法律についての国際修士)を取得することを目指しているように、日本サッカー界でも現役を終えた後のキャリアが多様化し始めている。
今後、日本サッカー界のメンタルケアの分野をさらにレベルアップするためにも、Jリーグで活躍した選手がメンタルトレーナーを目指すのも悪くないのではないだろうか。きっとその分野に向いた人材が、たくさんいるはずである。