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県立カシマスタジアムの指定管理者である鹿島アントラーズ・エフ・シーが発光ダイオード(LED)を
利用して天然芝を生産し、年間を通してピッチの全面張り替えを可能にする準備を進めている。
Jリーグ初の試みで、芝を張り替えることで常に良好な状態で保ち、試合以外にもコンサートなど
さまざまな利用を促していきたい考えだ。鹿島の鈴木秀樹事業部長は
「ピッチはサッカーのための聖域という時代は終わった。スタジアムの稼働率が上がれば収益性も高まる」と期待する。
■張り替え自在
国内スタジアムの芝は通常6?8年間使い続けており、カシマスタジアムも例外ではない。
Jリーグは芝が常緑でなければならないと規定しているため、過度な負担はかけられず、
ホーム試合以外のイベントに多用するのは難しいのが実情だ。
ところが、海外では芝をカーペットのように自在に張り替えるのが主流となりつつある。
ほ場で育った芝を巻き取って運び、スタジアムに再び敷き詰める「ピックアンドロール」工法により、
芝が傷んでも常に張り替えて質を維持している。
特に、欧州は先進的で、オランダリーグの名門アヤックスのホームスタジアムは
最短14時間で芝を張り替える技術を持つ。スタジアムをコンサートやバーベキューなど、
あらゆるイベントに使うことで稼働率を上げ、収益性を高めている。
鹿島も安定的な経営を実現するため、欧州にならおうとしているが、
芝を安定供給するには生産から一貫して行う必要がある。ほ場確保はスタジアム周辺で、
自治体所有の遊休地に確保する方針で、すでに候補地も挙がっているという。
■LEDを照射
芝を生産する上で、育成期間を短縮し、生産スピードを向上させるのが夜間に使用するLED照明装置。
現在は開発段階で、昨年2月から照射条件について研究中。LEDを用いた農業を研究・実用化している
信州大繊維学部の谷口彬雄名誉教授の研究室、都内企業2社と共同で取り組む。
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