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県内屈指の進学校・高崎の卒業生には、福田赳夫氏、中曽根康弘氏と、2人の元首相がいる。
金子主将(2年)の志望校は「東大」。早朝や練習後の午後10時まで学校の自習室に残る生徒もいる。
「野球と勉強にメリハリをつけています。勉強する時の集中力は野球にもつながると思うので」(金子)。
文武両道を貫きながら、昨秋の関東大会で4強入り。21世紀枠の推薦校にも選ばれた。
センバツ初出場を果たした81年、中堅のレギュラーだったのが境原尚樹監督だ。
「今年のチームカラーはあの時と似ている。強いとは思わないが、まとまりがあるし、
運も持っている代ですね」と分析する。練習メニューは部員が決める。境原監督は
「言われたことだけをこなすと、どうしても受け身になってしまう。ある程度まで力は
付いても、その先の壁は破れない。グラウンドで戦うのは選手ですから」とナインを
大人扱いしながら、自立させる指導法を取り入れている。
31年前は秋の関東大会で「タカタカ(高崎高校の愛称)旋風」を巻き起こし、
スポーツライターの山際淳司氏の著作「スローカーブを、もう一球」でも取り上げられた。
だが、境原監督の中では、決して輝かしい思い出ではなかった。「センバツ出場が
決まると大騒ぎで、マスコミからの取材も多くなった。浮足だって冬の過ごし方を
間違えた結果が、甲子園で出たと思います。光と影を味わいました」。星稜(石川)に
1―11の大敗。夏は県大会で敗れた。
31年ぶりの切符を前に、チームに浮かれムードはない。目標は「出ること」ではなく「勝つこと」。
秀才軍団が、今度こそ甲子園で「タカタカ旋風」を起こす。
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