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挑む 野球 長野久義 26 (巨人) 下 夢は必ずつかむ （読売新聞 2011年11月25日朝刊）
見る力にたけている。
新人の頃、視覚能力を検査すると、真っすぐや左右に動くものを識別する「動体視力」、
瞬間的に情報をつかむ「瞬間視力」など、8項目全てに高い数値を示した。これまで
約3000人のアスリート、審判らを測定した「スポーツビジョン研究会」の真下一策代表(66)は
「完璧。今まで測った中で2番目に良かった」。それが長野の走攻守を支える力になっている。
その瞳で子どもの頃から夢を見ていた。
「僕、絶対、プロ野球選手になります」。筑陽学園高（福岡）の卒業式が終わると、
野球部の江口祐司監督(49)を見据えた。それが旅立ちの言葉だった。
江口監督には「長野はプロになる」と直感した出来事がある。卒業式を間近に控えた頃、
「ちょっと（校則）違反の髪形だった」と、全校生徒の前で一喝した。長野は言い訳もせずに走り去り、
数十分後、坊主頭になって現れた。
「覚悟を決めた時の決断力が違う」。江口監督は舌を巻いた。中学、高校と強豪を選んだ。
当時はひときわ体が小さく、周囲に「通用しない」と反対されたが、プロという夢をつかむため、
練習に明け暮れた。
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