12/05/08 14:55:06.79 DK/muD3e
イチローとチームメートとの距離
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スポーツライター 丹羽政善
シアトルにあるマリナーズの本拠地、セーフコ・フィールド。ここではイチローと川崎宗則のロッカーが隣り合っている。
「(2001年に入団した)1年目は偶然でしたけれど、だいたい僕と気が合う人間がここですよね」とイチロー。
■キャメロン、イバネス…今は川崎が隣に
振り返れば、1年目はマイク・キャメロン(昨季限りで引退)がいて、その後、ラウル・イバネス(現ヤンキース)、マイク・スウィーニー(引退)、アダム・ケネディ(現ドジャース)と引き継がれ、今年から川崎がそこにいる。
そのことに少し、イチローは感慨深げだったが、チームメートのイチローに対する嫉妬が地元紙に取り沙汰されたころなら、2人はそのまま、孤立していたかもしれない。
なぜならば彼らが日本語で話していれば、他の選手は入り込めない。他意はなくとも、そこに壁が生まれてしまう。
危うい配置―。そういう見方もできるわけだが、今、チーム内にそうしたギスギスした気配はなく、それぞれが自分の仕事に集中できる環境だ。
続く
94:名無しさん@実況は実況板で
12/05/08 14:56:14.09 DK/muD3e
>>93の続き
■子供のころにファンだった選手が目の前に…
そこには、いい意味で大きなジェネレーション・ギャップが働いているともいえる。
将来を背負うと目されるダスティン・アクリーは24歳。30本、100打点を期待されるジャスティン・スモークは25歳。エースのフェリックス・ヘルナンデスも26歳で、38歳のイチローとは、一回り以上も年の差がある。
25歳のマイク・カープはいう。
「僕たちにしてみれば、子供のころにファンだった選手が目の前にいるようなもの。ケン・グリフィーJr.がいたときもそうだったけれど、こっちは学ぶことしかない」
圧倒的な実績差もある。アクリーにしても、将来は3000本安打を打つかもしれないが、現時点でイチローとの差は比べようがない。若い選手の中にイチローは、“別格”との見方がある。
■最初は気をつかったが…
そうなると、今度は彼らが遠慮し、結果としてイチローが孤立する空気も生まれそうだが、そうでもない。
カープは「最初はもちろん、話しかけるタイミングに気をつかった。彼の試合前の流れを邪魔したくなかったから。でも今は、違う。逆に向こうから話しやすい雰囲気を作ってくれる」と話す。
また、「最初から、友達のように接してくれた」という25歳のマイケル・サウンダースなどは、ソファに深く身を沈めてアイスクリームをなめながら、球場入りしたイチローに「オハヨウゴザイマス」と声をかけたりする。
続く
95:名無しさん@実況は実況板で
12/05/08 14:56:49.28 DK/muD3e
>>94の続き
■イチローが音頭をとる
日本の基準に倣えば、後輩がそんな態度で先輩に挨拶することは考えられないが、イチローも“しょうがねぇなあ”という表情で、笑みを返すだけだ。
川崎にしても、打撃練習で柵越えを放ったあとに「イチローのパワーをもらったぜ!」と叫ぶなど、ときに“イチロー”呼ばわりである。
昨年の今頃、イチローとサウンダースの間には、こんなこともあった。
4月25日、マリナーズはシアトルからデトロイトへ移動。その夜は試合がなかったために、チーム全員で食事に出かけたという。それは、結婚したサウンダースのお祝いが目的だったが、その音頭をとったのはイチローだったそうだ。
「レストランにつくまで、何も知らされていなかった」というサウンダース。1年後の今も、あのときのことを思い出すたびに「胸が熱くなる」とほおを緩め、「全く予想していなかったし、僕のためにそんなことをしてくれるなんて思いもしなかった」と話した。
■チームのまとまりを感じる
もともと近かった2人の距離がより縮まったのは当然だが、若い選手の多くはそのとき、イチローの別の一面にも触れ、親近感を覚えると同時に、チームのまとまりみたいなものも感じたそうだ。
昨年がメジャー1年目だったトム・ウィルヘルムセンも、「なんか、居心地がよかった」と振り返る。
おそらく、誰が主催してもよかったものではなく、イチローが呼びかけたからこそ、そういう結果になったのだろう。
チャンスで誰がタイムリーを打つかで、その後の試合の流れが変わるのと一緒だ。ただ、イチローが何かを計算してそうしたかといえば、答えは「NO」に違いない。
続く
96:名無しさん@実況は実況板で
12/05/08 14:57:27.08 DK/muD3e
>>95の続き
■かつてはグリフィーも
そうしたことに関してイチローは、明確なスタンスを持つ。
「人の心を動かすとか、勇気を与えるとか、感動を与えるとか、よくあるフレーズですけど、それが目的となったら無理。そんなの与えられるわけがない。なるとしたら結果としてそうなるだけ。目的としている人は、その目的を絶対達成できない」
こんな話も思い出した。
90年代後半、マリナーズがオークランドへ遠征したとき、シリーズの前に一日だけ休みがあったという。
その日、マリナーズの中心選手となっていたグリフィーは、全米オープンを何度も開催しているサンフランシスコ郊外にあるペブルビーチ・ゴルフリンクスを借り切り、チームメートらを招待して、ゴルフを楽しんだそうだ。
それを教えてくれたのは、当時のチームメートで、現在はマリナーズのテレビ解説を務めるマイク・ブロワーズ氏だが、あれも「結果的には、チームの結束みたいなものが生まれたけれど、決して意図されたものではないだろう」と話した。
■早くも厳しい状況に置かれただけに…
「グリフィーはただ、みんなで、楽しみたかっただけだから(笑)」
チームには25人もの選手がいて、出身もバラバラだ。マリナーズの場合は7カ国の選手が集う。開幕時の平均年齢は28.33歳で、メジャー全体で4番目に若い。
生まれ育った環境、世代も違う彼らを一つにまとめようというのが、たとえばミーティングという手法なのかもしれないが、ごく限られた選手というのは、存在そのものが、言葉の力を上回る。
チームは5日にようやく連敗を止めたものの、4日まで7連敗を喫し、早くも厳しい状況に置かれた。だからこそ今、監督のスピーチより、イチローの行動に多くの視線が注がれているのかもしれない。
終わり
97:名無しさん@実況は実況板で
12/05/08 15:25:46.53 yKiFm6yk
いやー、最近いい打席多いな