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なぜ日本からジョブズが生まれないのか? 「戦時中から変わらない日本的組織のせい」
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日本人と日本的組織がイノベーションを苦手とする要因について4つ挙げてみましょう。
(1)練磨・改善の徹底追求
開戦当初、日本軍は白兵銃剣主義を極めることで、香港、東南アジアなどでは快進撃を続けました。
日本軍は猛訓練により兵士を達人へと育成する思想を持っていましたが、これはのちに過度の
精神主義につながり、装備の近代化や科学合理主義を妨げたと『失敗の本質』でも指摘されています。
(2)成功体験の再生産
日露戦争で日本海海戦の勝利に貢献した参謀として知られる秋山真之が起草した「海戦要務令」は、
日本海軍では虎の巻のような扱いを受け、ある種の経典のように学習されています。
ところが、第一次世界大戦時と同じ運用方法で大東亜戦争を戦った日本の潜水艦は、戦果を挙げることなく撃沈されていきます。
環境が変化したにも関わらず、過去に成功した行動自体をそのままコピーして実行しても、
確たる戦果をあげることができないのは、現代ビジネスにもまさに共通することではないでしょうか。
(3)最前線の実情を無視した上層部の意思決定
イノベーションは夢物語を語ることではなく、現実社会の実情を冷徹に受け入れることで創造されるはずです。
武器弾薬や食料がまったく届かない激戦地に、机上の空論のような作戦を押し付ける構造では、
劣勢を逆転できるイノベーションが生まれるはずがありません。
(4)異なる意見やアイデアをつぶす組織風土
過去の考え方、やり方で成功できた時期が長ければ長いほど、過去の手法を神聖視する傾向は強化されていきます。
その結果、危機を前にしても以前と異なるアイデアや変化に対応するための議論を、
組織全体でつぶす選択をしてしまうことになるのです。
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