14/07/03 04:42:30.89 0
ああ、前にも書いたけど俺あるよ
俺が高校の頃の雨降りの夕方、俺は学校から家に帰ってきた。
そしたら母がバタバタと仕度してた。
「あんた何やってたの?
叔父さんが亡くなったのよ。早くしなさい」
という。
どこの叔父さんだと思いながら、とりあえず用意しようとしたら電話が鳴った。
母は忙しくしてたので、仕方なく俺が電話とった。
「もしもしっ。俺だ。落ち着いて聞けっ。いいか」
かなり切羽詰った口ぶりで相手は前置きもなくいきなり喋りだした。
聞き覚えのある声だった。
誰の声なのかは、すぐには分からなかった。
「死んだのは叔父さんじゃない。母ちゃんだ。
いいか。絶対に振り向くな。そのままじっとしてろ」
母ちゃん?
母を母ちゃんと言い、そしてその声。
兄だ。
去年バイク事故で亡くなった兄の声だったんだ。
死んだはずの兄から電話があったら、普通パニックだと思うが
そのとき俺は不思議と恐怖感のようなものは感じず
冷静に兄からの電話があった事実を受け入れられたと思う。