12/01/22 17:21:59.46 0
24を読んで思い出した事がある
小学生の頃、通学路沿いの家で道側に玄関と犬小屋があり
そこに繋がれている中型よりちょっと大きめな雑種がいた
その犬は子供が嫌いなようで、小学生が通る度にさもムカつくという感じで
門の中から門扉に飛びつくように吠え掛かっていた(大人には吠えない)
犬嫌いや犬が怖い子にとっては恐怖だったろう
自分は自宅でも犬を飼っていたし犬好きだったので、どうにかその犬も手なづけたいと思い
優しく声をかけたり、敵意は無いことを示すために無視したりしてみたが
とうとうその犬の気持ちを和らげる事は出来ず、吠えられっぱなしで小学校を終えた
その犬が吠えるたびに何回かは内から家人のおばさんが出てきて
「コラ!吠えたら駄目でしょ!」と叱りつけていたが犬はヘイチャラだった
そして吠える時はそれまで自分の気配を消して子供を油断させて不意打ちの攻撃を狙ったり
遠くから気配を感じると早めに威嚇して吠えたりと、犬なりにもなかなか色々対応を考えて暮らしているようで
犬にとっては子供に吠え掛かる事も犬の密かな楽しみになっていたのではないかと今では思える
とにかく老犬のようなのに吠える時だけ犬は元気だった 気力が横溢していた
小学校を卒業して高校2年くらいの頃か、もう通学路では無いために通らなくなっていた道を
ふと自分の犬の散歩でふらりと通った
その家の前まで来ると夕方で小学生が通るにも関わらず、その家がなんだかシンとして見えた
玄関のあたりを覗き込むとあの犬も犬小屋も消えていた
そういえばあの犬は吠え掛かる時、鳴き声が「ワンワン!」では無く「アヴァアヴァ!」だったのを思い出した
見た目よりかなりの老犬で歯があまり無かったためあんな鳴き声だったのではないかと思い当たった
静かになったその家を通り過ぎるすがらちょっと涙が出た