12/03/31 12:16:08.99 CPruLoL3
『撃剣会始末』に剣道範士高野弘正氏の剣道読本にある撃剣興行に関する批判として以下のような文章が引用されている。
「榊原鍵吉らが旧幕剣士の生活と、すたれようとする剣道鼓吹のために撃剣会を興して各地を興行したことは有名であるが、
興行となれば見識の低い剣客の中には、客にこびてさまざまな動作をする者があった。それは幕末の堕落した剣術の気風が
大いにあずかっているのであるが、いわゆる引き上げをやって勝負を誇張したり、面白そうなかけ声を工夫したりした。これが
一般の人々に剣術とはかようなものであるという観念を与えて、ますます実戦の精神に遠い稽古を生み出したことは争われない」
その見識の低い剣客らによって生み出された誇張や奇声が後の剣道の稽古にも影響を与えたように考える人もいるようだ。
もっとも具体的にはどのかけ声がその「面白そうなかけ声」に該当するのかはわからない。ちなみに戦国時代から
日本人は刀で攻撃する際に叫び声をあげていた↓とのことなので、かけ声自体は伝統に反するわけではない。
フロイス『日欧文化比較』
「われわれの間では撃剣する時ものを言わない。日本人は切りつけたり、逆打ちをくらわせる毎に必ず叫び声を発する」