10/12/19 13:22:24 Jkz9msAi
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【コラム】ストーリー産業不毛地帯
国会教育科学委員会のクォン・ヨンジン議員はこのほど、ソウル市内にある主要8大学の
図書館で集計した貸し出し図書に関する資料を公開した。J.K.ローリングの『ハリー・ポッタ
ー』シリーズが3大学で1位となり、『空中ブランコ』『冷静と情熱のあいだ』『ノルウェイの森』
など気軽に読める日本の小説が上位に入った。すると、国会では「名門大学生たちの人気
図書ナンバーワンが、中高生向けのファンタジーとは」とため息が漏れた。
しかし、この問題を考える上では「ストーリー産業」という視点から見つめなければならない。
韓国は市場のほとんどを外国に奪われている。米経済専門誌のフォーブスはこの1年間、
米国で最も多く稼いだ作家10人を調査し、先日発表した。1位は犯罪サスペンスの巨匠ジェ
ームズ・パターソンで7000万ドル(約58億円)、次いでロマンス小説『トワイライト』シリーズ
の著者ステファニー・メイヤー、そしてホラー小説で有名なスティーブン・キングの名前が挙
がった。このほか、法廷小説の大家ジョン・グリシャムや、J.K.ローリングも10位以内に入っ
た。
ランキング入りした10人が稼いだ金額は約3000億ウォン(約220億円)に上る。ジェームズ・
パターソンは、著作権収入などにより1000万ドル(約8億3000万円)を海外で稼いだ。イケ
メン・バンパイアが登場する『トワイライト』シリーズは、映画、ゲーム、DVD、映画ダウンロ
ード、さらにはバンパイアのキャラクターをモチーフにしたジュエリーに至るまで、世界で8兆
ウォン(約5880億円)近い「バンパイア産業」を生み出した。
米国の「ベストセラー小説家トップ10」は、純粋文学ではなく特定ジャンル文学の作家たち
が占めている。パターソンは1カ月に1冊のペースで作品を手掛けているが、これは個人の
能力を超える生産量だ。当然「小説工場」を作り、集団で創作した後、パターソンの名前で
売り出しているということだ。専門ジャンルを決め、作家の名前をブランド化してシリーズで
本を出し、小説の出版以外にもさまざまな収入源を開拓していくという点も目を引く。まさに
「ストーリー産業」というわけだ。