14/06/23 23:20:21.56
まだ明けない真夜中、瀕死の重傷を負い体が冷たくなっていくシゲルを背負いアテもなく歩き続けるるもも
しかし疲労困憊で限界のるももはたまたま着いた崖の上でシゲルを地面で寝かせ休むことを余儀なくされた
この間目も開けられず一言も話していないシゲルだったが、まだ息がある確信しているるももはシゲルを死なせまいと手を握りしめ、思いつく限りの元気づける言葉を語りかけた
すると目を覚ましたシゲルは瀕死の重傷が嘘のようにスッと起き上がって立ち上がったかと思ったらるももの手を離しまるで天に昇るかのように地面から足が離れていき
向こうの星空がうっすらと見えるほどシゲルの体が透けていき今にも消え去りそうになっていた
そしてシゲルは「生まれ変わったらキミのように・・・だから忘れないでね・・・」とまさに最後の言葉というべきことをるももに語った
焦ったるももはシゲルを抱きしめようとしたその瞬間、シゲルの体から無数の光が散らばりるももはシゲルの名を叫んだが思わず目を腕で覆ってしまった
我に返り号泣していたことに気付いたるももだったが目の前にシゲルの姿は跡形も無くなっていた
明けることはないように見えた長い夜が明け雲ひとつ無い空に日が差し込み始めた