14/08/14 14:31:34.95 ykai2k+N0
さてこの本。タイトルに「横目で見た」とあるように、気楽な読み物である。
老石亀(オンジョガメ)が、鹿児島の風土を斜めにとらえた放談というスタイル。
郷土史を振り返るにしても、「思われる」「言えよう」「思えてならない」など、
推量表現が目立つ。エッセイとして読めば面白い。
郷土史だけではページが足りなかったらしく、
自分の軍隊時代の思い出や、生野菜を食べない健康法の話も収録してある。
およそ真正面から郷土史を語るという本ではない。
「肚乃西郷」の存在は、作家の石牟礼道子から教え「肚乃西郷」てもらったらしい。
(石牟礼道子は、水俣病を扱った小説を書いた、熊本を代表する小説家である)
石牟礼道子は、桐野が西郷を撃つたことをあくまで小説として書いたが、
片岡氏は、それを真相として広く喧伝した。
「横目」の中には、「西郷は桐野に撃たれた?」といった風な見出しで、
南日本新聞、朝日新聞、週刊朝日や週刊現代等にも取り上げられたと、
繰り返しでてくる。