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渡辺浩教授の講演「儒教と福澤諭吉」 ― 2011/12/22 04:17
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昨日の「巧言令色またこれ礼」〔昔、書いた福沢2〕(短信107・1978(昭和53) 年2月5日)で、福沢諭吉を「批孔のはしり」と書いているのは、1
970年代前 半、中国で文化大革命のさなか「批林批孔」という林彪と孔子を批判する運動 があったからである。 孔子と孔子が説いた儒教、
そして儒教を復活させよう としたとされた林彪が激しい批判の矢面に立たされた。
12月3日、福澤諭吉協会の第113回土曜セミナーで、渡辺浩法政大学法学部 教授の「儒教と福澤諭吉」という講演を聴いた。
その案内文にあった講演の 要旨は、「福澤は儒教の厳しい批判者として知られています。しかし、彼が儒教 の何を批判し、
何を批判しなかったのか、そのことの吟味は十分になされてい ないように思います。この報告では、儒教の教義内容(についての私の理解)を 簡略に、
しかし体系的に、お話した後、それを福澤のいわゆる儒教批判と比較 して、考えてみたいと思います。」というものだった。
正直に白状すれば、この講演、これまた、ほとんど歯が立たなかった。 東 大系に弱いのかもしれない。
一番、面白かったのは、野田佳彦首相が所信表 明演説で「正心・誠意」というキーワードを述べ、新聞始めマス・メディアは こぞって勝海舟の『氷川清話』からの引用だと言ったが、
儒学を多少でも知っ ている者なら(江戸時代なら五歳の子供でも、今でも聖徳学園小学校で素読を習 っているという一年生なら←馬場註)、
四書五経の『大学』の「誠意・正心・修 身・斉家・治国・平天下」だと分かる、という話だった。 儒学についての教 養のなさは、マス・メディアから、首相官邸や野田総理まで及んでいたのであ る。
私が講演をほとんど理解できなくても、驚くには当らない。 と、開き 直ったりして…。
ネットを「誠意・正心」で検索したら、加地伸行立命館大学教授が9月30 日の「産経ニュース」(おそらく産経新聞にも掲載されたのだろう)
の「正論」 で、渡辺浩教授と同様の指摘をしていた。