10/10/12 23:54:51
十二年合戦で思い出しましたので、今宵の〆に。
『後藤内軍物語の事』
白河院の御代。天喜5年11月の合戦において、源頼義に付き従った六騎の中に
いた藤原則明、通称後藤内は既に老齢であったが、院の御召に従い、往年の
合戦を物語る大役を仰せ付かっていた。
そこでまず言うには、
「故頼義朝臣の鎮守府をたちて、秋田城へつき侍りし時、薄雪降り侍りしに、
軍のをのこども」
とここまで言った時、院よりお言葉があった。
「うむ、もう宜しい。幽玄なる情景が浮かんで参った。もう、これ以上は不要。」
そうして、衣を下賜されたということである。