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『発掘文字が語る古代王権と列島社会』
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著者/狩野久(北海道生まれ。奈良文化財研究所名誉研究員)
出版社/吉川弘文館
発行年月/2010年10月
【渡来人の生活】
渡来人の墳墓に埋葬される特異な副葬品に、かまど・釜・こしき・鍋の四点ミニチュアセットがあるが、これは彼らが故地のかまど神を、明器として墳墓に納めたものであり、
母国での慣習に習ったものといわれている。
石室の天井をせり出し式に造る技法も南朝鮮の墳墓に特徴的に見られるもので、日本では河内中南部と、近江蒲生・神崎・愛智郡に集中して見られるものであり、
いずれも渡来氏族が多く住んだ土地として知られている。
(水野正好『古代を考える 河内飛鳥』吉川弘文館)
【河内の韓式土器】
近年はまた河内平野の発掘調査が、様々な開発事業との関連で大規模に実施されているが、その調査で判明したことの一つとして、
日本在来の土器とは明らかに異なる韓式土器(あるいは朝鮮式土器)が各地で多量に発見され、渡来人の生活に直接触れる材料が増えつつある。
土器を胎土分析した結果では、韓式土器といっても朝鮮で制作したものを渡来人が日本に持ち込んだものと、彼らが日本で制作したものの両方が含まれているという。
調査関係者の指摘で特に興味深いのは、韓式土器の出土分布が、河内の中南部ばかりでなく、北河内にも濃厚に認められ、かつての河内湖の南辺に特に著しいという。
土器の年代観から見て、四世紀末から五世紀中葉のものと認められる由であるが、河内平野の治水灌漑による大開拓事業に、特別に重要な意味を持っていると思われるのである。
(中西靖人「河内平野を掘る」『大阪府史』 韓式土器研究会『韓式系土器研究』)
大阪府の韓式土器分布図
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