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不正の温床、遅れる法整備 2ちゃん開設者書類送検 2012.12.21 00:08 [ネット犯罪]
URLリンク(sankei.jp.msn.com)
警視庁は今回、国内最大級のインターネット掲示板の違法薬物に関する書き込
みを、放置し続けた「不作為」が、麻薬特例法違反の「幇助」にあたるという異
例の判断で、掲示板の管理者側を初めて立件した。
警視庁によると、書き込みのあった昨年5月時点で、2ちゃんねる上の違法情
報は約9800件。薬物販売を書き込んだ男は「2ちゃんねるは規制がなく取引
がしやすい」と供述しており、違法薬物取引の温床になっていたことは間違いな
い。関係者によれば、2ちゃんねる開設者の西村氏は違法情報について、周囲に
「面白ければいい」と話していたという。
ただ、捜査は捜索着手から1年以上かかるなど難航した。掲示板の違法情報の
削除は、基本的には管理者側の自主規制に任されており、法規制がないからだ。
警視庁によると、2ちゃんねる側が捜索後、違法情報の削除を積極化したた
め、ほかの掲示板で違法情報が増えているという。
捜査幹部は「インターネット掲示板への書き込みは、世界中の人に瞬時に伝わ
る点で、落書きよりもメディアに近い。にもかかわらず、規制する法の整備が追
いついていない」と嘆く。インターネット空間では、掲示板の規制のみならず、
犯罪者の「足跡」が残るサーバーのアクセス記録の保存期間についても法の定め
はなく、捜査は手足を縛られたような状況を強いられている。遠隔操作ウイルス
事件の捜査が長期化しているのも同様に、こうしたことが背景にある。
法整備の遅れをこのまま放置する「不作為」は、掲示板の違法情報の放置と同
じく、問題があることは明らかだ。(荒船清太)